研究課題/領域番号 |
05404014
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
隆島 史夫 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60041703)
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研究分担者 |
ストルスマン A・カルロ (ストルスマン A.カルロ) 東京水産大学, 水産学部, 助手 (10231052)
岡本 信明 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (40114912)
青木 寅 (青木 宙) 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00051805)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
1995年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1994年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1993年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 遺伝子 / トランスジェニック / 魚類 / マイクロインジェクション / エレクトロポーレーション / 三倍体 / 成長ホルモン遺伝子 |
研究概要 |
本研究の目的は、魚類における遺伝子導入による育種を意図し、有用遺伝子の探索と構造解析、導入技法の確立、導入遺伝子の発現機構、一代限りの導入遺伝子封じ込めなどの点を検討することにある。当該年度において得られた成果の概要は次の通りである。 (1) 遺伝子探索に関し、メダカ染色体DNAから218bpの繰り返し配列遺伝子をクローン化した。そして、得られたクローンをプローブにしてメダカ遺伝子ライブラリーからの多数のクローンを得た。しかし、このクローンをプローブとしてコイ、ニジマス、ウナギ、ブリの染色体DNAに対してハイブリダイゼーションを行なったが、相同性のあるものは見出せなかった。また、魚類腫瘍形成に係わるc-myc遺伝子のcDNAをコイから単離し、それが1334bpから成ること、アミノ酸類似性はニジマスで71.5%、ヒトで55%であった。 (2) ヤマメ成長ホルモン遺伝子をクローニングした。さらに、これら導入遺伝子を染色体に組込むための有効なプロモータを検索し、コイのαグロビン遺伝子導入に関して高い活性を示すプロモータを見出した。 (3) 遺伝子を伝達された次世代が不測の事故によって周辺へ逸散し、環境生態系へ影響を及ぼすことのないよう封じ込める手段として三倍体化不妊処理技法をペヘレイにおいて確立した。 (4) ポジショナルクローニング法による遺伝形質の解析を行うため、DNAマ-カの単離を試みた。そして、3個のRFPLマ-カが検出するDNA多型がメンデル遺伝することを確認した。また、蛍光in situハイブリダイゼーション法によってDNAマ-カ8個のうち、6個について染色体上の座位を確認することができた。従って、単離したDNAマ-カは染色体地図作成や遺伝形質の解析に有効であると考えられた。 (5) レポータ遺伝子としてβガラクトシダーゼ遺伝子をフナ卵へ導入するマイクロインジェクション法を確立した。ただし、この技法では大量の卵に対して導入を図ることが難しいので、コイ精子にβグロビン遺伝子を浸透させ、これで受精するによって導入を図るエレクトロポレーション法を開発した。しかも、導入時に浸透圧を変化させることで極めて高率に導入を図ることに成功し、実用化に近付いた。 その他、魚類遺伝の性状を明らかにしてライブラリー構築の端緒とし、それらのうちから適するものを選んで遺伝子導入を行い、形質転換を起こさせたり、レポータ遺伝子として有用であることを示した。
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