研究概要 |
本研究の目的は、申請者らが新しく見出した細胞内情報伝達物質であるサイクリックADPリボース(cADPR)の合成酵素と受容体の構造と性質を明らかにして、cADPRを中心とする新しい細胞内情報伝達系の全容を解明することである。平成7年度の研究は順調に進行し、以下の様に研究目的が達成された。 平成7年度の研究は、研究計画通り進行し以下の新知見が得られた。 1.cADPR合成酵素cDNAをプローブにヒト遺伝子ライブラリーからcADPR合成酵素遺伝子を分離した。また蛍光in situハイブリダイゼーション法によりヒトcADPR合成酵素遺伝子の染色体存位が4p15であることを決定した(Nakagawara,K.,Mori,M.,Takasawa,S.,Nata,K.,Takamura,T.,Berlova,A.,Tohgo,A.,Karasawa,T.,Yonekura,H.,Takeuchi,T.& Okamoto,H.Cytogenet.Cell Genet.69,38-39,(1995))。 2.cADPR合成酵素活性に必須のアミノ酸残基を明らかにした(Okamoto,H.,Takasawa,S.,and Tohgo,A.Biochimie 77,356-363(1995);Okamoto,H.,Takaswa,S.,Tohgo,A.,Nata,K.,Noguchi,N.,Kato,I.& Yonekura,H.“Methods in Enzymology"Vitamins and Coenzymes,Part I and J(McCormic eds.);Academic Press,in press)。 3.cADPR合成酵素の発現の組織特異的発現を明らかにした(Furuya,Y.,Takasawa,S.,Yonekura,H.,Tanaka,T.,Takahara,J.& Okamoto,H.Gene 165,329-330(1995);Okamoto,H.,Takaswa,S.,Tohgo,A.,Nata,K.,Noguchi,N.,Kato,I.& Yonekura,H.“Methods in Enzymology"Vitamins and Coenzymes,Part I and J(McCormic,D.B.,Suttie,J.W.and Wagner,C.eds.),Academic Press,in press)。 4.cADPR結合活性を指標に膵ランゲルハンス島cDNAライブラリーからcADPR結合蛋白質候補cDNAを単離した。
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