研究課題/領域番号 |
05404049
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桐野 高明 東京大学, 医学部(病), 教授 (90126045)
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研究分担者 |
森川 栄治 東京大学, 医学部(病), 助手 (90251256)
森本 正 東京大学, 医学部(病), 助手 (20230154)
佐々木 富男 東京大学, 医学部(病), 助教授 (10134561)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
34,300千円 (直接経費: 34,300千円)
1994年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1993年度: 22,500千円 (直接経費: 22,500千円)
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キーワード | 脳虚血 / 細胞死 / 海馬 / 砂ネズミ / ストレス蛋白 / 蛋白合成 / ユビキチン / シナプス / 免疫染色 / cerebral ischemia / neuronal death / stress response / protein synthesis / excitotoxin / presynaptic terminal / ubiqutin |
研究概要 |
短時間の虚血による海馬CAI領域の神経細胞死はほとんど純粋にシナプス後部の損傷である。その部位に残存するシナプス前部のその後の変化は不明であった。そこで、虚血後1年にわたる微細形態的な追跡を行い、シナプス前部が非常に長期間残存した後に消失し、それと期を一つにして局所の脳萎縮が進行することを明らかにした。ごく短時間の虚血によって神経細胞は一時的に虚血に対する耐久性を獲得する。虚血耐性の導入の時期に一致してストレス蛋白hsp70の発現が強く認められる。これまでに、虚血によって細胞死に陥る海馬CAI領域では蛋白代謝の回復を認めないことが明らかにされている。しかし、今回の実験により虚血耐性を獲得した状態では虚血後の蛋白代謝の回復が極めて良好であることが判明した。ストレス蛋白が蛋白代謝の回復を促進することは培養細胞の系で明らかにされているが、神経細胞でも同様の機構が働いていることが示された。さらに、hsp70のmRNAの動きを同一のモデルで観察すると、通常mRNAが誘導されても蛋白の発現を見ないが、耐性獲得下では蛋白レベルまで発現していることが示された。hsp70と同様にストレスによって誘導されるubiquitinは、従来海馬CAI領域で免疫染色上虚血後激減することが報告されていた。しかし、われわれの用いたモノクローナル抗体では全く逆の結果を得た。そこで4種類の抗ubiquitin抗体を用いて免疫染色、immunoblotting、免疫沈降の手法を用いて実験をおこなった。その結果ubiquitinはその総量を減ずるのではなく、freeformのubiquitinが選択的に消失することが明確となった。
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