研究課題/領域番号 |
05404051
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
太田 富雄 (太田 冨雄) 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80025650)
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研究分担者 |
三宅 裕治 大阪医科大学, 医学部, 講師 (50181996)
長澤 史朗 大阪医科大学, 医学部, 助教授
長澤 史郎 (長沢 史朗) 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (10144370)
坂口 一朗 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40247862)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
1995年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 選択的脳冷却 / 潅流装置 / 透析回路 / 脳微小透析法 / Lactate / Pyruvate比 / 脳冷却 / 微小脳透析法 / 灌流装置 / 低温乳酸リンゲル液 |
研究概要 |
脳神経外科において、術中出血の制御や脳虚血の予防は古くからの課題である。現在、一部の施設では、深部血管病変に対して人工心肺装置を用い全身の超低体温・循環停止下に直達手術が試みられている。しかし、全身のヘパリン化が必須で、操作も煩雑であるため、広く臨床応用されるには至っていない。 今回我々は、より安全に脳神経外科手術を行うために、人工心肺装置を用いずに脳循環と体循環を分離し、脳を選択的に冷却して脳保護を行うシステムを考案した。我々の研究目的は、このシステムの安全性を確認し、臨床応用に近づけることである。 本システムは、犬を用い一側の椎骨動脈から冷却潅流液を注入し、同時に他の頸部血管を総て遮断し、総頸静脈より冷却希釈された血液を脱血・除水して、体循環に戻し、これにより体温の低下をきたすことなく、選択的に脳温のみを18℃まで低下させることが可能となるものである。この方法では人工心肺装置を用いないためヘパリン化は不要で、脳循環血液は高度に希釈され無血手術が得られ、また脳のみが選択的に冷却されるため、心拍は保たれ他臓器の生理的血流も維持される。従来の脳冷却法と比較し簡便かつ安全な方法である。 平成5年度は、本システムの基本的諸条件の決定(冷却液温度、注入速度、除水速度など)と全身状態への影響の確認、復温後の脳虚血の有無を検討しその安全性を確認した。平成6年度は、脳微小透析法を導入し、冷却中のモニタリングとして有効であることを証明し、これを用いて冷却至適温度を決定した。平成7年度は、脳微小透析法にてLactate/Pyruvate比をモニタリングし、潅流液組成についての検討を行った。その結果、本法における脳冷却は、30℃が適当であり、膠質液による潅流が有利であると考えられた。今後とも、カテーテルによる潅流や脳保護的な潅流液組成の検討など、臨床応用に向け研究を続けてゆく予定である。
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