研究課題/領域番号 |
05404084
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 寿人 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (70127083)
|
研究分担者 |
東 雄二郎 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (30181069)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
1995年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1994年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1993年度: 19,400千円 (直接経費: 19,400千円)
|
キーワード | 水晶体分化 / 転写制御因子 / Sox / δEF1 / 水晶体特異性 / クリスタリン / SEF1 / トランスジェニックマウス / 突然変異マウス / δEF2 / ES細胞 / 標的遺伝子組換え |
研究概要 |
胚発生の途上で起きる細胞分化の典型例として水晶体の分化をとりあげ、研究した。とくに、水晶体分化の初期にはじまるδ-クリスタリンの発現が分化過程に密接に関連していると考え、ニワトリのδ-クリスタリン遺伝子の発現制御機構を研究の中心に据えた。まず、δ-クリスタリン・エンハンサーのDC5と呼ぶ30bpの領域が遺伝子の水晶体特異的な発現に中心的な役割を果たすこと、DC5に結合する3種類の因子(δEF1、δEF2、δEF3)の作用が水晶体特異的なエンハンサー活性をもたらすことを結論した。 δEF2、δEF3は協同的に作用して水晶体特異的な遺伝子の転写活性化をもたらす。δEF2は cDNAクローニングによってSoxファミリーのなかのサブファミリーに対応することが明らかになった。 δEF1は抑制因子としてδEF2、δEF3の作用を調節するとともに、水晶体以外でのδ-クリスタリンの発現を抑制している。δEF1の作用機構の解析やδEF1欠損突然変異マウスの作製によって、δEF1はさまざまな組織の分化過程に重要な役割を果たす因子であることも明らかになった。 これらの因子は、水晶体分化にどのような役割を果しているのであろうか。この点を明らかにするために、Sey(Small eye)突然変異マウスの原因遺伝子であるPax-6の発現と、Soxの発現を比較検討した。その結果、頭部外胚葉に広く発現されるPax-6が水晶体への分化可能性を与え、次いで、おそらく眼胞からの誘導に応じて発現されるSoxがその領域の水晶体への分化を規定し、さらにδEF3をはじめとするいくつかの転写制御因子の発現がその領域にもたらされて、水晶体分化が実現されると考えられる。
|