研究課題/領域番号 |
05404086
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
外山 敬介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90090505)
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研究分担者 |
山本 亘彦 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00191429)
東 秀二 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30228704)
黒谷 亨 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50195591)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
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キーワード | 神経発達 / 可塑性 / 視覚野 / 長期増強 / 年齢依存性 / シナプス伝達 / 光学的記録 / 大脳皮質 / コバリアンス学習 / 共培養標本 |
研究概要 |
神経細胞の遺伝子がもつ情報量は脳の神経回路の構造がもつ情報量に比べて圧倒的に少ない。この情報のギャップを埋めるのが学習であると考えられる。つまり、知能を生み出す脳の神経回路は遺伝子と学習の協調によって作られるもので、脳の神経回路形成における遺伝子と学習の役割を明らかにすることが、大脳皮質の神経発達学の中心課題である。我々の研究室は脳切片標本、脳移植標本、共培養標本に神経活動の光学的記録法、共焦点顕微鏡による軸索伸長の生体観察などを適用して、大脳皮質神経回路の遺伝子と学習に対する依存を調べ、大脳皮質の層状構造が遺伝子に依存することを明らかにした。大脳皮質は6層の層状構造をもち、神経細胞は層に特異的な神経結合をもつ。本研究は大脳皮質の層構造が神経活動が弱い共培養標本下でも完全に再現され、層構造が遺伝子に依存した構造であることを示した。また、層特異的な神経細胞の結合を誘導するさまざまな分子シグナルの存在を明らかにした。 本研究のもう一つの成果は、発達期の可塑性を長期増強としてとらえたことである。本研究は発達期のラットの視覚野の脳切片標本には時間経過の早いfLTPと時間経過が遅いsLTPが生じること示した。sLTPは感受性期があり、膜電位依存性のCaチャンネルを通るCaの細胞内流入が引き金となり、遺伝子転写、蛋白合成を経て外側膝状体系シナプスに発現する。fLTPは明確な感受性期が無く、NMDAチャンネルを通るCaの細胞内流入が引き金となり、視覚野の出力細胞の軸索側枝系に発現する。これらのことは、sLTPが柱状構造の学習に関与する発達期の可塑性の担い手であり、fLTPは全ての年齢に発言する情報処理型の可塑性であることを示している。
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