研究概要 |
本研究は,川越市という地域社会の社会的,文化的構造変動を,考察したものである。川越市の社会変動の中で,各地域社会が,地域住民に対し,いったいどのような「社会化過程」を提供しうるかを解明することがねらいである。すなわち地域住民のコミュニティとの関わり方の実態と,対人関係を中心とするコミュニケーション構造を把握し,都市化の動向が人々の社会化のあり方をどのように規定しているかを考察した。 本年度の研究では,コミュニケーションの構造に,人間の社会化の視点を加えて分析を深めた。そのために,小学生時代の生活体験の質問と,7つの社会化の領域に関する質問を行った。 分析の結果明らかになった主な点はつぎのとおりである。 -パーソナル・コミュニケーションの特徴が,人間のトータルのコミュニケーションに直接関係していること -生活体験のタイプは,コミュニケーションの場ときわめて深い関係がある。 -ライフスタイルとコミュニケーション構造との関係をみると,興味深い関係が明らかになった。 -外国人の友人との関係では,職業や学歴などの属性のほかに,生活意識が大きくかかわっている。 一方,川越市の産業化の歴史過程を学校教育を中心としてみる等。調査を続行し,とくに昭和11年まで埼玉県下唯一の「工業学校」であった県立川越工業高等学校を対象として,その地域社会発展への役割を考察し,他地域の事例との比較を試みた
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