研究課題/領域番号 |
05451058
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 俊 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (00114497)
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研究分担者 |
寺嶋 秀明 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (10135098)
徳丸 亜木 筑波大学, 歴史・人類学系, 助手 (90241752)
前川 啓治 筑波大学, 歴史・人類学系, 講師 (80241751)
関 一敏 筑波大学, 歴史・人類学系, 講師 (50179321)
牛島 巌 (牛島 巖) 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (10091886)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | パトロン・クライアント関係 / 商品流通網 / 商業牧畜 / アフリカ東北部 / フィリピン・ビサヤ内海 / 山口県萩市 / 婚姻連合 / 行商人 / 市場流通網 / 畜友関係 / 民族誌的比較研究 / 互酬論 / フナダマ信仰 / 共生関係 / 経済人類学 |
研究概要 |
本年度は本研究の最終年度にあたり、前年度の研究でえた中間総括と析出された問題点をより集約的な共同研究と調査研究によって資料の質を高め、かつ理論的枠組みの確定をおこなった。佐藤と岩崎は、この地域の商業活動の広がりを歴史的にせいりし、さらに現在、中心的役割を果たしているガリ族の商業牧畜と商人の事業展開を分析した。その結果、商人の事業展開は婚姻連合に基づいているが、そのような婚姻連合には民族と宗教の異同によって二つのタイプがみられることを明かにした。狩猟民と農耕民の社会・経済的共生関係の研究:寺島は、ピグミー族と農耕民との婚姻関係と経済的取引関係を分析して、社会的不平等を前提とした共生関係が存在し、この関係がピグミー族の女性の婚姻様式によって顕在化することを明かにした。牛島は、フィリピンのビサヤ内海における漁獲物のマーケット流通網を分析して、スキ関係という得意先関係が、売り手と買い手の間の二者関係に基礎づけられた個人的な信用と相互的な義務感によって形成され、維持されることを明かにした。徳丸は、山口県萩市における行商人と仲買人を対象として、昭和20年代以降の漁獲物の流通網を分析した。山陰本線の開通と漁協卸売市場の設立によって、漁獲物の流通網と販売の得意先が広域化した過程が明らかにされた。 上記の研究によって、パトロン・クライアント関係の多様性が明らかになると同時に、パートナーの身分差、仲間的な対等性、通世代的な持続性が共通して認められることが明らかにされた。
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