研究課題/領域番号 |
05451072
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
木下 正史 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70000487)
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研究分担者 |
西口 寿生 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡調査部, 主任研究官 (80000511)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 宮都造営 / 土地造成 / 土木技術 / 石組構築物 / 斉明朝 / 狂心の巣 / 人工運河 / 測量技術 |
研究概要 |
飛鳥・藤原京の都づくりを中心に調査・研究を実施し、宮殿・寺院・邸宅などの造営に伴う土地造成、石組を使用した施設の構築、用水・排水設備の建設等について、石神遺跡、小治田宮跡、川原宮跡、酒船石遺跡、山田寺跡、坂田寺跡、檜隈寺跡、上ノ井手遺跡、藤原宮跡、藤原京跡、上ノ宮遺跡等諸遺跡での実態の解明を進めた。その結果、飛鳥では盆地内の平担地は天皇宮や大寺で埋めつくされ、皇子宮・有力豪族層の邸宅、氏寺等は飛鳥盆地外の周辺や、盆地を囲む丘陵傾斜地に構えられるようになるという特色ある飛鳥の都市景観の実態を明らかにした。また、丘陵傾斜地に立地する遺跡では、切土・盛土による大規模な造成が行なわれたこと、さらに石垣による土留や排水施設の構築などを伴う組織的な土木工事が行なわれたことなど、飛鳥の都づくりを理解するうえで重要な実態を明らかにした。 以上の調査・研究を通じて、飛鳥の都づくりの展開の中で、斉明朝が土地造成や石組による施設の規模と内容、人工運河の掘削とその利用、さらに都の空間利用の広域化等の点において大きな画期であったことを明らかにした。そして藤原宮・藤原京以降の諸宮都の都づくりも、飛鳥でのこうした経験を基礎に、より展開させたものであったとする予察を得た。 大宰府跡、多賀城跡、上野国分寺跡等の地方官衙、寺院についても調査を行ない、それぞれの遺跡における土木工事の内容の検討を進めた。中国・朝鮮半島における土木技術についても関連資料の収集を進め、飛鳥時代に伝播・導入した水機器や、測量等の新しい土木技術の内容を明らかにした。
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