研究概要 |
1.平成5年度は,主として調査の準備にあてられた。なお,平成5年度の科学研究費補助金の交付によって行われたものではないが,内容的にこの課題と深い関係のある,香川県下の市町の予算編成と議員の役割に関する調査の報告が公刊されたことを付言する。 2.平成6年度には,わが国の市町村における予算編成過程の調査が行われ,その調査報告を平成7年度に2種類刊行した。調査対象団体は,1074市町村であり,実質回収率は92.4%であった。そして,調査結果の内,新たな知見と考えられるものを2点だけ挙げると次のようである。 (1)基本計画や実施計画をどれほど策定しているかを調べたところ,全体の73.4%の市町村が 両方の計画を策定していると回答した。そして,興味深いことに,両計画を策定している団体の分布を見ると,東北,関東,中部地域が80%以上であるのに対して,近畿,中国,四国,九州・沖縄が70%以下であり,東高西低の傾向がみられることである。(2)市町村は,予算編成に向けて住民の要望をどのようにして吸い上げているかを尋ねたところ,最も多い回答は,住民からの請願や陳情によって予算に対する要望を判断しているという回答で,66.2%であった。 3.平成7年度には,イングランドとウエールズの全自治体,444団体に対して,全部で33問からなる調査票を作成し,平成7年11月10日に発送した。回答の締切は,同年12月29日にした。そして,平成8年1月16日に第1回目の督促をし,2月28日に第2回目のかつ最後の督促を行った。その結果,本日現在(3月27日)の回収数は,267団体で,回収率は60.1%である。予想では,最終的な回収率が65%前後にはなるであろう。したがって,この調査も成功であったといえるであろう。
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