研究課題/領域番号 |
05451117
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
奥林 康司 神戸大学, 経営学部, 教授 (90030717)
|
研究分担者 |
庄村 長 東京都立商科短期大学, 助教授 (30154347)
上林 憲雄 神戸大学, 経営学部, 助教授 (00243296)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 新技術 / 組織構造 / 職務内容 / 人事労務管理 / 労働の人間化 / QWL / ネットワーク / 柔構造組織パラダイム / 職務設計 / 労務管理 / 柔構造組織 |
研究概要 |
昨年度行った文献調査及び工場見学の結果をふまえ、今年度は研究分担者全員による共著『柔構造組織パラダイム序説-新世代の日本的経営-』(文眞堂刊)を研究成果としてまとめた。著書においては、プロジェクト独自の分析枠組として、「新技術-作業組織-管理組織-人事労務管理」という一貫したフレームワークから新技術の企業労務への影響を把握しうることが確認された。即ち、従来の経営学において明確には意識されてこなかって新技術と組織構造、組織構造と労働の相互関係を、現実の企業組織を対象として初めて実証的に明らかにした点が、第一の研究成果である。 さらに著書をまとめる段階では不十分であった人事労務管理の内実をより正確に把握するため、東芝(株)本社や長谷工コ-ポレーションを初め、数社から追加的にインタビュー調査の機会を与えて頂いた。その結果、(1)新技術システムの下で、各社とも作業組織レベルでは、チーム作業方式の導入やそれに伴う柔軟な賃金体系の導入などの形で、かなりの程度「柔構造化」しつつあること、(2)ただし管理組織レベルになると、技術それ自体による組織構造への規定性は必ずしも大きいものではなく、むしろ企業トップレベルでの経営戦略やより広い社会情勢等によって影響を受けやすいこと、などが明らかになった。それゆえ、より現実的には、企業の人事労務管理体系は作業組織を中心とする技能職と管理組織を中心とする管理職とでかなりの程度異なっている点が実証的に明確化された点が、第二の研究成果である。 またこの調査の中間報告を、奥林が海外出張の機会を利用し、コブレンツ経営管理大学、ドレスデン工科大学、ブタベスト大学、グラスゴ-大学、ロンドン大学インベリアルカレッジ、ノースウェスタン大学等で報告した。欧米の多くの研究者が我々の研究成果に大きな関心を示した。将来、このテーマで国際共同研究をする見通しが得られた。
|