研究課題/領域番号 |
05451148
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
成田 滋 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 研究室長 (10172587)
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研究分担者 |
前川 久男 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (50165635)
棟方 哲弥 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 研究員 (70229938)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 学習遅滞児 / 教材開発 / デジタル化ム-ビ- / 探索学習 / ハイパーテキスト / 記憶と学習 / マルチメディア / 特殊教育 / 映像 |
研究概要 |
認知的理解の遅い生徒や学習そのものに内発的動機がわかない生徒への適切な指導環境の改善のために、ハイパーテキストと先端的な技術であるデジタル化ム-ビ-(動画)を組み合わせた多目的かつ複合的な学習教材の方略究明がこの研究の中心である。研究の初年度である平成5年度では、すでに教材デザインに不可欠な方略すなわち、(1)ム-ビ-データの編集方法、(2)使いやすい教材インターフェイスの開発、(3)ム-ビ-呈示のタイミング、(4)呈示回数、(5)呈示時間などが一定程度で究明され、その知見を学習に遅滞する小学校レベルの生徒の教材ソフト開発に役立たせることができた。 平成6年度は、前年度までの研究の知見を基にしてデジタル化された動画や静止画像、自然音声、そしてハイパーテキスト構成の教材が、生徒の学習過程を通して、記憶や再生にどのような影響を及ぼすかを考察した。具体的には、ハイパーテキスト中心の教材上の視覚的な刺激と聴覚的な刺激の提示が記憶に及ぼす交互作用に関する実験を研究指定校である横浜市内の公立小学校の特殊学級にて行った。 以上の実験から得られた成果としては、動画やアニメーション等動きのある教材呈示手段は、生徒の自己探索学習や調べ学習における長時間に渡る課題への集中を促すこと、学習への意欲を高めること、概念の形成と習得した知識の長期的な記憶に有効なことが判明した。また、生徒自信の自然音声を教材に組み込むことによって課題への取り組みが教師とクラスメートの交互作用を促すきっかけとなることも判明した。こうした知見に基づいて、学習に遅れがちな小学生に必要な教材開発のための提言も行なった。以上の研究成果は、日本教育工学や特殊教育などの関連専門誌で発表するとともに、アメリカのフロリダ州で開かれた障害児教育とテクノロジー関連学会においても報告した。
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