研究課題/領域番号 |
05451163
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10111361)
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研究分担者 |
糸賀 黎 信州大学, 農学部, 教授 (40114037)
伊藤 太一 筑波大学, 農林工学系, 講師 (40175203)
佐藤 俊 茨城大学, 人類学系, 教授 (00114497)
天田 高白 筑波大学, 農林工学系, 教授 (80114031)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 白峰村 / 出作り / 環境条件 / 地理情報システム / 環境保全型山村社会 / 地域変容 / 環極条件 |
研究概要 |
白山西麓白峰村にかつて広く分布していた出作りを対象として、それらがどういう土地条件の所に立地していたか、そしていつ消滅して行ったかを解析した。研究の基本となる出作り分布図は、点でその位置が示されている5千分の1の森林基本図を参考に空中写真判読を行い、広がりを持つ面として12500分の1(2万5千分の1を2倍に拡大した)の地形図上に同定した。これによると、出作りの数は322ケ所、合計面積は1.39km^2である。土地条件としては、DEMから作成した斜面傾斜図・方位図・標高図、地すべり分布図、水系図、地質図、植生図、植林図、林道図等である。これらの図をディジタル化して出作り分布図と重ね合わせ、統計をとった。その結果、出作りが一番多く分布していた条件は、標高600-900m、斜面傾斜10-25度、斜面方位北東か南東、地すべり地、地質は礫岩・砂岩、土壌は湿性褐色森林土。植生はブナ-ミズナラ群落、ブナ-チシマザサ群落、であった。それそれの特性の全域での分布を考慮すると、地質、土壌、植生は出作りの立地に大きな影響を与えていなかったことが推察できる。水系図との比較では、1次河川沿いに出作りの多くが分布しているが、これは畑に必要というよりも、出作り小屋での日常生活に必要だったからであろう。急峻な山岳地域である白峰村では、山腹に緩斜面が少なく、その多くは地すべりによって形成されたものである。従って、多くの出作り(約50%)が地すべり地に立地していたのはむしろ当然である。東向き斜面は日当たりが良く、山岳地域では重要な要素だったと考えられる。標高は作物(アワ、ヒエ、野菜)の成育条件と密接に関係している。出作りが大幅に減少した時期には昭和5-10年と30-40年があるが、前者の場合は昭和9年の手取川の大洪水による壊滅的な災害が契機となって離村した者が多い。後者は、出作りの大きな現金収入源であった薪炭業の燃料革命による壊滅、高度経済成長による人口の都会への流出、そして昭和38年の38豪雪による村の孤立化などが複合的に絡み合っている。
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