研究分担者 |
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 講師 (90178319)
吉岡 朗 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40200935)
古谷 賢朗 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (70112901)
小林 嶺道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120186)
大森 英樹 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20087018)
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研究概要 |
1900年にP.Painleveは2階の非線形方程式で動く分岐点を持たないものを分類して,Painleve方程式を発見した。さらに,R.Fuchsはある2階のFuchs型微分方程式のmonodromy保存変形からPainleve方程式が得られることを示した。これらの研究はその後永い間忘れられていたが,数理物理の分野でPainleve方程式が再発見されるとその重要性が再認識されてきている。岡本はこれらの古い結果を2階のFuchs型微分方程式のmonodromy保存変形として再構成し,Painleve方程式とその一般化であるGarnier系が多項式をHamiltonianとするHamilton系として書けることを示した。 ここで重要なのはmonodromy保存変形という概念であり,高階のFuchs型微分方程式のmonodromy保存変形からどのような非線形方程式が得ることができるかは非常に興味あることである。しかし,2階についての岡本の計算が示すよう,高階の方程式に対してそのまま実行しようとすると非常に複雑な計算になってしまう。 一方,全ての単独高階のFuchs型微分方程式は1階の大久保型と呼ばれるFuchs型方程式系に変形できる。また,大久保型方程式系はSchlesinger型と呼ばれる1階の方程式系の特別な場合なっており,そのmonodromyもアクセサリーパラメータフリーな場合は計算可能等,良い性質を持っている。 我々は,この事実をもとに大久保型方程式のmonodromy保存変形を考え,対称性の高い非線形方程式が得られることを示した。
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