研究課題/領域番号 |
05452029
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助教授 (80144806)
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研究分担者 |
西山 文隆 広島大学, 工学部, 助手 (00164616)
岩田 洋世 広島大学, 理学部, 助手 (20168579)
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手 (70205730)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1993年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | タイムゼロ検出器 / チェレンコフ検出器 / 高時間分解能 / PHENIX実験 / ビームビームカウンター / RHIC加速器 / チェレンコフ |
研究概要 |
1.チェレンコフ光輻射体となる石英ブロックを1インチメッシュダイノード型光電子増倍管に装着した検出器原型機2型を試作し、KEK・PSにてパイ中間子ビームを用いて性能評価を行い、輻射体の形状・寸法による性能の相違を調べ、3cm長の6角柱が最適であることを明らかにした。 2.形状を最適化した輻射体とカソード周辺部電子収束系の改善を行った光電子増倍管を一体構造とした原型機3型を試作し、パイ中間子ビームを用いて磁場中での性能評価を行った。ADC分布ピーク値は、磁場の発現と同時に約30%低下するが、磁場中でほぼ一定値を保持する。時間分解能は磁場強度に依存せず、3Kガウスまでの磁場中で50ピコ秒の時間分解能を達成することを明らかにした。 3.タイムゼロ検出器を含むPHENIX装置全体のモンテカルロ計算コードを構築整備し性能評価を行った。その結果、高粒子多重度環境下で検出器素子間の相互作用が問題となることが分かった。 4.そこで、米国ブルックヘブン国立研究所AGS加速器にて、高エネルギー原子核ビームを使った性能評価を行った。高粒子多重度環境下で原型機3型は50ピコ秒の時間分解能を達成することを明らかにした。 5.AGSに於けるテスト結果を繰り込んだシミュレーション計算から、タイムゼロ検出器実機はビーム衝突時刻を40ピコ秒の時間精度で決定することを明らかにした。 6.長時間耐久性能を延べ85日間に渡りテストした結果、平均アノード電流15μAの高計数環境下にて原型機は何ら支障無く動作することが分かった。この総電流量は約1年間のPHENIX実験に相当する。 7.ガンマ線による放射線損傷の評価を行った。1Mレントゲンの被爆を受けても原型機は何ら支障無く動作することが分かった。 これら一連の研究成果から、原型機3型はPHENIX実験の全ての要求を満足することを明らかにし、検出器素子の最終デザインとして採用した。平成7年度から、日米科学技術協力事業の一環として、実機の製作を開始する。
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