研究課題/領域番号 |
05452038
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
冨永 靖徳 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (00013540)
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研究分担者 |
梅原 利宏 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (50251690)
太田 隆夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (50127990)
柴田 文明 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (20011702)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1994年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1993年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 水の動的構造 / 低振動数ラマン散乱 / ジオキサン / 水溶液系 / 電解質水溶液 / アルコール水溶液 / 糖 / アスコルビン酸 / ラマン分光 |
研究概要 |
1.前年度の研究に引き続き、軽水(H_2O)と重水(D_2O)及び、酸素18の同位体水(H_2^<18>O)の低振動数ラマンスペクトルの解析を行った。その結果、水素結合の生成・消滅に伴う四面体の構造揺らぎの緩和について新たな知見が得られた。3種類の水の緩和時間の温度変化の比較検討によって、過冷却状態から温度を上昇させていくと、H_2^<18>OとD_2Oは298K(25℃)付近から、H_2Oでは293K(20℃)付近から、分子の並進運動が次第に緩和時間に寄与してくることが明らかになった。そのためH_2^<18>OとH_2Oの緩和時間はこの温度領域でクロスオーバーを起こしている。D_2Oの緩和時間は全温度領域で最も長い。これは、D2O分子の質量・慣性能率が、H_2^<18>OやH_2O分子に比べて大きく、水素結合も強いことによる。分子の並進や回転運動の効果を差し引いても、H_2^<18>Oは低温領域でH_2Oより緩和時間が短く、水素結合による構造化が進みにくい挙動を見せる、ということがわかった。 2.前年度の研究の研究から、電解質水溶液系(NaCl、KCl、CaCl_2等)のラマン領域の緩和モードの緩和時間と、水の緩和時間との比は、イオンの種類によらず、それぞれの粘性率の比とすべての濃度で一致することがわかったが、この結果を用いて、これらの電解質水溶液系の振動モードの解析の精密化をはかった。この結果、Ca^<2+>イオンとMg^<2+>イオンは、緩和でみると濃度変化が類似しているが、振動モードに対する効果にはあきらかな差がでてくることがわかった。 3.生理活性のある_<L->キシロアスコルビン酸(ビタミンC)は、生理活性のほとんどない_<D->アラボアスコルビン酸と比べ、より多量の水和水をまわりにつけていることを、エタノールで脱水する過程での時間領域の誘電緩和測定の結果から明らかにした。
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