研究課題/領域番号 |
05452062
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
大出 義仁 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10024340)
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研究分担者 |
丹澤 和寿 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60236776)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1993年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 負の圧力 / ベルセロ法 / 超臨界水 / キャビテーション / 異種核 / 脱ガス / ラマン分光 / 水 / 準安定状態 / マラン分光 / 分子間相互作用 |
研究概要 |
試作した3方光学窓付金属ベルセロ容器は、-30気圧の負圧しか発生できず、水のラマン分光に関する成果は得られなかったが、もう一つの目的である高負圧の発生技術に関して以下の結果が得られた。 1.金属の“電気化学的"選択基準が新しく見つかった。「水を試料とするベルセロ系では水素電極を基準にして、鉄より電極電位の高い金属を使う。」特にアルミでは水との腐食反応で水素ガスが発生し、負圧が発生できなくなった。この基準は、有機液体には適用する必要がないことも確認された。 2.試料室表面積が小さいほど効率よく高負圧が発生できる。キャビテーションの核は、容器壁表面に在る。試料室を径の小さい円筒型とし、あらかじめ核を不活化しておき、密封用金属栓のみ新しいものを使い確認された。容器壁面積を小さくすれば、高負圧達成に要す時間はこれに比例して短縮できる。 3.超臨界水前処理を施すと、安定して高負圧を発生できる。高温高圧では、クレバス内のガスとこれに接する液体の界面張力が小さく、両者の分子混合を促進でき、一度混合すると常温常圧に戻しても水分子はクレバス内に残る。-120気圧の負圧は安定して発生できた。使用したオートクレーブの圧力封止に使ったパッキング材から処理水へのガスが溶出し、これが処理を受けた金属のクレバス中に入った可能性が高いので、これらをあらかじめ脱ガスしておけば、さらに高負圧を達成できる可能性がある。現在、この可能性の検証と対策の効果を検討中である。試作光学窓付ベルセロ容器のように、試料室内表面積が大きくとも利用可能で、従来の技術では不可能であった。これ等を利用して、再度、水の小波数シフトラマン分光を試みてみる予定である。
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