研究課題/領域番号 |
05452063
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
松浦 基浩 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (80025361)
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研究分担者 |
小山 晋之 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (40170394)
萩原 亮 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (70198654)
遠藤 久満 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20027907)
川村 光 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30153018)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1994年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1993年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 非線型磁化率 / 磁気相転移 / 逐次相転移 / グラファイト層間化合物 / セラミックス / 酸化物高温超伝導体 / クラスター構造 |
研究概要 |
「セラミックス」は一般に「焼きもの」の総称であり、我々にとって身近でごくありふれた存在であるが、一方では、現代の最先端科学技術に不可欠な機能性材料でもある。構造的には「乱れた」界面を介して相互に強く結合した結晶性クラスターの集合体で、「規則性」と「不規則性」が異なったスケールで共存しており、ヘテロな階層構造にその本質がある。従って、その秩序化過程を解明するには、約10^<2〜4>A のスケールの所謂メゾスコピックなクラスターのダイナミクスを調べることが基本的に重要であるり、我々は、サブミリ Hzという超低周波(VLF)からキロHzまでの広い周波数領域で、ミリ0eからキロ0eにおよぶ広域振幅可変の非線型磁気応答観測システムを開発し、近年世界的に活発な研究が展開されている酸化物高温超伝導体(YBCO)や、グラファイト層間化合物(MCl_2-GIC)等の研究に応用して、「セラミックス」の秩序化過程とダイナミクスに関する研究を行ってきた。CoCl_2-GICやNiCl_2-GICに関する実験結果は、この方法が「セラミックス」に特有の階層的な逐次相転移や中間相の動的構造を解明する大変有効なプローブとなることを実証した。また、YBCO超伝導セラミックスについて、グレイン内からグレイン間への階層的な逐次相転移を見事に分離検証することに成功したが、非線型磁気応答にはこれら二つの転移点で定性的に異なった異常を示すことが分かった。これらの事実から非線型磁化率はまた、所謂ゲージグラスとは異なる真の超伝導グラスを調べる有効な手がかりであり、Josephson-型相互作用の性質や超伝導のミクロな起源を探るうえで重要な物理量であることも分かってきた。このように、本計画の実現よって観測条件が良く整備された結果、従前には観測され得なかった新しい諸現象が次々に見出され、「セラミックス」の研究における非線型磁気応答観測の有用性が改めて再認識されることになった。
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