配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
研究概要 |
東京大学気候システム研究センターで開発されている大気放射スキームや,Fomichevによって開発されている中層大気放射スキームを九州大学中層大気大循環モデルに導入しモデルを完成させることを試みた. 前者のスキームは短波放射および長波放射を統一的に表現できる総合的な放射スキームであり,今年度は対流圏・下部成層圏モデルに組み込んでそのテストを行った. Fomichevのスキームは長波放射スキームであり,高度70km以上のnon-LTE領域まで表現できる.今回のモデルでは対流圏から下部成層圏にかけてはChouの放射スキームを導入し,成層圏中間圏では長波放射にはFomichevのスキームを,短波放射にはStrobelの放射スキームを導入し,70km以上のnon-LTE領域ではCO2による長波放射にはFomichev,NOにはKochartsのスキームを,短波放射にはStrobelのスキームを導入した.その結果,下部熱圏の放射過程を正しく評価したモデルの場合には,中間圏界面の弱風層を実現するためには,より強いEP-flux収束発散が必要であることがわかった. さらに,オゾンの生成輸送をモデルに組み込むことにより,成層圏・中間圏での3次元的オゾンの変動や,オゾンホール現象に伴う中層大気大循環の変動についても研究を行った.このモデルの南極付近に人為的にオゾンホールを発生させ,それによる中層大気大循環の変動について調べた.その結果オゾンホールのオゾン減少域では温度下降が,その上の領域では温度上昇が見られた.これは観測結果とも定性的に一致している.この変動の原因はオゾン減少による冷却化とそれに伴う極夜jetの強化,プラネタリー波の活動度増加,子午面残差下降流の強化により説明できる.
|