研究概要 |
1.狭ギャップRIE,非平衡プラズマ構造とエッチング機能の計測とモデリング;慣用的エッチャとして広く利用されているにもかかわらず、非平衡プラズマ物理の視点からその構造・機能が全く調査されていないRIE(13.56MHz,100MNz)の分析を実施した。その結果、 (a).STROES(時空間分解発光分光分析)手法から構造を診断し、基板が瞬時アノードとなる位相で、基板表面近くに局所的なイオン、解離ラジカル分子生成のピークが生まれることを発見。これは、RIEを物理的に評価する際の、一つの重要な機能である(成果はJAP.732163(1993),JAP.74,4923(1993),,JJAP.33,4335(1994)に詳説)。 (b).申請代表者のオリジナルな緩和連続モデルを駆使して、(a)で明かとしたRIE構造を計算物理の立場から解明した。バルクプラズマを構成する正負イオンの中を小数キャリア電子が振動することにより形成されるダブルレヤ-内の電界分布に指導されたかたちで、電子衝突でイオン、解離ラジカル分子の生成が基板直前、瞬時アノードの位相で起こることを自己無撞着な手法から明かとした(成果はPlasma Sources Sci.Technol.2,40(1993),JJAP.33,2223(1994),Phys.Rev.E49,4455(1994),J.Phys.D28,31(1995)に詳説)。 2.狭ギャップRIEにおける微粒子効果の観測; (a).RIEリアクター内で生成・成長・消滅する微粒子の時空間挙動を、非反応性Arプラズマ中に混入したCF_2分子のその後の発展から判断するために、Ar^+イオンレーザ光のMie散乱強度とSTROESから両像の相関を観測し、粒径,密度分布とプラズマ構造の時空間相関を把握した。微粒子成長と負イオン化がカギとなることを示した(成果は5.1の文献Plasma Sources Sci.Technol.3,310(1994)に詳説)。 (b).緩和連続モデルを発展させ、微粒子RFプラズマをモデル化し、(a)の外部プラズマ条件のもと、微粒子生成と時空間挙動をシミュレーションから実現し、定量的理解を深めた。(成果は投稿中)
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