研究概要 |
AgGaSe2結晶フィルターとシングルモノクロメーターを組み合わせた簡易ラマン分光装置を構成し,GaAlAsレーザーダイオードの発振波長をAgGaSe2フィルターの中心波長にあわせて励起光源としてDDl4およびテフロンのラマン散乱を測定し,その性能を確認した.また,AgGaS2結晶フィルターの温度を制御することによりその中心波長をアルゴンレーザーの発振波長にあわせた簡易ラマン分光器を構成し,GaAsおよびCuInS2のラマン錯乱を測定した.これらの簡易ラマン分光装置を用いてCuAlS2,CuAlSe2,CuGaS2およびAgGaS2のラマン錯乱分光の測定を行い期待された性能を確認した. さらに,CuGaS2については,アルゴンレーザーのいくつかの発振波長を励起光源として共鳴ラマンおよびルミネセンスの測定を行い,これまで未確認であった多数の2次発光線の同定を行った.これらの同定には方位を指定して切り出した単結晶が必要であるが,X線を用いずに光学的透過飲みを測定して方位を決定する新しい方法を提案した. これらの一連の研究成果は当初の予定を超えるものも含まれ,特に,方位を確定した単結晶で偏光測定によってラマン錯乱分光を実行した数少ない貴重なデータを得ている.
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