配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1993年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,離散構造内での構造がどんどん変化する動的な問題や,将来のことがわからない状況で実時間(オンライン)的に最適化の要求を解いていく問題といった新しいタイプの離散的最適化問題を中心に,それに対する種々の新技法の開発と,連続体モデル,特に確率的取扱に関する解法を研究することである.具体的には,刻一刻と変わる交通状況の下での最短路問題,移動体施設が動くときの施設配置問題,並列・分散環境での計算機資源に関するスケジューリング問題などに関して,従来の静的な環境や,将来の要求が全てわかっているオフライン環境とは違うアプローチについて、問題の定式化を含めて取り組んだ. 動的最短路問題については,さらなる高速化が可能であることを示すことができた.これは,以前に解いた情報を採用して,過去の解を小規模修正する程度で変化した状況での最適解が効率よく求められることを示した.これにより,より精密な動的交通流解析などを実用的時間内に行なうことができる.オンライン環境でのアルゴリズムについては,分散システムでの情報共有の問題について,問題の定式化から検討し,そこから詳細な検討を加えることによって,より実現的な解析が行えることをを示し,重要な成果を得た.また,そこでは連続体モデルとの関係のランダム化というランダムな振舞をアルゴリズムの中に導入する技法について,それがオンラインアルゴリズムの開発でも有用であることを示した.動的幾何問題については,動的Voronoi図という概念の提唱と,その解析,構築アルゴリズムの開発を中心に研究し,関連して離散的クラスタリング問題と連続的クラスタリング問題の間の対応を利用したランダム化アルゴリズムの開発も行ない,種々の問題の普遍的構造を明らかにするとともに,アルゴリズムの面からも新しい展開を示した.
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