配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1993年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
研究概要 |
本研究は,基板上に作製した脆性薄膜に微小球圧子を押込むことにより薄膜の破壊強度を評価する方法を確立することを目的としたものである.主な研究成果は次の通りである. 1.膜厚2μmのパ-マロイ薄膜とSiO_2薄膜の2種類の十字型試験片を用いて,薄膜単体の破壊強度とヤング率を評価することを試みた.その結果,両供試材共に本評価法により破壊強度とヤング率をほぼ評価できることがわかった. 2.WC基板上に膜厚2μmのTiN薄膜またはAl_2O_3薄膜を蒸着した試験片に対して微小球圧子押し込み試験を行った.その結果,両供試材共に,微小破壊強度は球径依存性を示すこと,または有効面積の概念を用いて微小破壊強度からバルク材の曲げ強度を推定した結果,ほぼ妥当な値が得られた. 3.薄膜・基盤接合体に対して微小球圧子押し込み試験を適用する前に,Si_3N_4バルク材への微小球圧子押し込み試験を行い,微小破壊強度と四点曲げ強度の関係を有効面積の概念を用いて調べた.その結果,微小破壊強度は曲げ強度より大きくなり,球圧子径が小さくなるほど大きくなった.また,有効面積の概念を用いて曲げ強度と微小破壊強度の関係を結びつけることは困難であることがわかった. 4.Si_3N_4バルク材への微小球圧子押し込み試験から得られた微小破壊強度と曲げ強度の関係を有効面積の概念で説明できない原因を明らかにするために,表面き裂からのリングクラック発生モデルを導入し,これにより微小破壊強度の分布と曲げ強度の分布の違いを定性的に説明できることを確認した.
|