研究概要 |
回転工具を用いるフライス系の加工では隅を角張った形状に加工することができないなど回転工具に起因する困難に遭遇する.そこで,回転工具に変わって非回転工具を使用する新しい加工法(ヘ-ル加工法と呼ぶ)を考え,その制御法を研究開発しようとすることが本研究の目的である.非回転工具を使用する場合,作業空間で任意の位置の任意の姿勢をとるためには工作機械は並進3軸と回転3軸の合わせて6軸制御のできる構造をもつ必要がある.制御が複雑になるのでCAD/CAMシステムのソリッドモデルを利用して工作物を定義し,点群で包絡された工具形状とから工具シーケンスを考慮するとともに干渉を回避した工具経路を生成し,それよりNCデータを作り出す汎用CAMソフトウェアを研究する. 3次元ヘ-ル加工の特徴,すなわち回転工具にない加工の利点を活かすための典型的な加工対象として,(1)異形状断面をもつ溝加工,(2)曲面の平滑加工,(3)キャラクタ・ラインの高精度仕上げ,(4)角隅加工,などをあげることができる.前年度は(1)(2)を研究し,成果をあげることができた.本年度は特に(3)と(4)の加工に関して生じる複雑な干渉問題を解決するアルゴリズムを検討し,機械構造に中立な干渉回避工具経路を創成するソフトウェアを研究した.生成された工具経路からデータ変換によってNCデータの生成を行い,6軸制御マシニングセンタによる切削加工実験を通してその効果を確認した.
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