研究概要 |
1.直径27m,定格出力1kWの小型水平軸風車3台よりなる研究用小型ウィンドファームを琉球大学工学部エネルギー機械工学ビル屋上に建設し,約1年にわたって性能特性,出力変動特性を調べた.その結果小型風車はその構造上,各風車毎の出力変動特性に独立性がかなり高く,複数台風車の出力を合計すればその変動率は単機の較べてかなり小さくなることを,理論的,実験的に確認した. 2.同上ウィンドファームに出力800Wの多結晶太陽電池パネルを増設し,風力発電システムと同一系統にした場合の各発電装置の出力特性および相互干渉を調べた.その結果太陽電池パネルの出力変動成分は風力発電のそれに比して,およそ2.0Hz以上の高周波数成分が多く,逆に低周波数成分は少ないという新しい知見を得,結果的に異種発電装置間の複合化も出力変動の減衰に効果的であることがわかった. 3.今後の普及型小型風力発電装置への提案として,直径40m,定格出力3kWの可変ピッチ小型風力発電装置を設計し,その製作を8割方完了した.これは,従来固定ピッチが大半であった小型機についても可変ピッチ方式を導入し,ステッピングモータ,ウォーム・ギアおよびマイクロコンピュータ制御によってより安定かつ安全な風力発電装置の開発をめざすものである. 4.以上の研究と並行して,沖縄県宮古島において実際に系統連系運転中の250kW風力発電機2機システムの出力変動特性を詳細に解析した.その結果,同島の5万kW系統容量に対して,1万kWすなわち20%までの風力発電システムの浸透は可能との結論を示した.
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