研究課題/領域番号 |
05452181
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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研究分担者 |
赤澤 正道 北海道大学, 工学部, 助手 (30212400)
澤田 孝幸 北海道大学, 量子界面エレクトロニクス研究センター, 教授 (40113568)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1993年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 量子構造 / 化合物半導体 / 表面・界面準位 / 界面制御層 / 量子井戸 / フォトルミネセンス / 表面不活性化 / 界面制御 / 量子細線 / 界面準位 / 表面準位 / 表面電気伝導 |
研究概要 |
量子構造は、構造の尺度が電子波長程度に微細であるので、表面や界面の性質が、量子構造の性質に及ぼす影響は極めて大きいと考えられる。本研究では、化合物半導体の量子構造の量子準位と表面・界面準位の相互作用を理論的・実験的に解明するとともに、独自の表面・界面制御技術を用いて量子構造の表面・界面を工学的に制御することを試みた。得られた主な研究成果を以下にまとめる。 (1)Al_<0.3>Ga_<0.7>As/GaAs量子井戸からのフォトルミネセンス(PL)発光強度が、上部AlGaAsバリア層の厚さが10nm以下となると指数関数的に減少することを観測し、それが量子井戸準位と表面準位の相互作用にもとづくことを明らかにした。 (2)量子井戸の界面準位や表面準位が量子井戸のPL効率やその励起光強度依存性に及ぼす影響を理論的・実験的に明らかにした。 (3)分子線エピタキシ-(MBE)法による超薄膜シリコンと光化学気相堆積(光CVD)法による超薄膜シリコン窒化膜を界面制御層(ICL)として利用した、独自の表面・界面制御技術を開発した。 (4)砒化ガリウムインジウム(InGaAs)に、Si ICLによる界面制御技術を適用することにより、界面準位濃度の最小値(Nssmin)2x10^<10>cm^<-2>eV^<-1>が得られた。この値は、これまでに化合物半導体で報告されている中で最も低い値である。 (5)Si ICLによる界面制御技術を表面近傍の量子井戸に適用した結果、表面準位によるPL強度の低減をほぼ制御することができ、最大で1000倍のPL強度の回復が確認された。また、これが界面制御技術の適用により量子井戸表面の表面準位の発生が抑制され、トンネリングを介した表面準位によるキャリアの非発光再結合が減少したためであることを明らかにした。表面近傍の量子井戸の不活性化は、世界で初めてのことであり、本研究で提案された表面不活性化技術は、量子構造の表面・界面制御にきわめて有望である。
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