研究課題/領域番号 |
05452214
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
保立 和夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60126159)
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研究分担者 |
山下 真司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 専任講師 (40239968)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 光ファイバジャイロ / 光ファイバブリルアンリングレーザジャイロ / 光ファイバセンサ / ナビゲーション / ブリルアン散乱 / ファイバレーザ |
研究概要 |
第3世代の光ファイバジャイロと言える[能動型光ファイバジャイロ]の構成要素として最も重要である〈光ファイバブリルアンリングレーザ〉の発振を安定化する手法を確立することが、本研究の主な目的である。さらに、この安定化されたリングレーザを用いたジャイロ系に関して、性能制限要因およびジャイロ出力信号の処理手法を検討する。 2年間の研究期間において、先ず、光ファイバ共振器中で生じる誘導ブリルアン散乱によりレーザ発振が得られる過程を共振器中での偏波変動を厳密に扱いつつ理論的に明確化した。偏波維持光ファイバの偏波軸を90°捻って接続したリング共振器を解析し、安定発振にとって有効であることを示した。また、絶対単一偏波光ファイバにより構成した共振器も解析し、やはり優れた特性を有することを確認した。前者の構成に関しては実際にリング共振器を作成し、本構成が安定発振にとって有効であることを実験的に実証した。本レーザは活性媒質である光ファイバが数mから数十mと長尺であるため、利得スペクトルがファイバに沿って分布している効果が発振特性に現れる。この現象を理論解析することにも成功し、温度分布、張力分布が発振特性に与える影響に関する詳細な知見を得ることができた。さらに、低回転入力時に全く感度がなくなる現象(ロックイン現象)の解除法、ならびにリングレーザ中で左右逆回りに発振する2つの光のビ-ト信号から回転角速度のみならず回転の方向をも検出する手法を検討した。また、エルビウムドープ光ファイバにより得られるリングレーザ中での偏波変動が誘起する不安定性の解決法、光ファイバグレーティングによる安定なリング共振器の構成法も提案し、検討した。 これら研究成果により、光ファイバブリルアンリングレーザジャイロを実現するための基礎的かつ重要な知見が得られ、本研究の目的を達成することができた。
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