配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
鉛直2次元断面内の流速分布の把握に向けて,高速カラービデオ画像の平面相関解析技術を整備し,これを応用して砕波および越波といった急激かつ非可逆的な流体運動の内部機構を調べた. 可視化におけるトレーサとしては,ポリスチレンビーズを用いた.ビーズの色,混入量,撮影におけるシャッター速度,照明の量と方向,画像解析におけるフィルター処理の方法,同定のためのテンプレートの大きさ,相関検定範囲等,多くの要因について試行錯誤を行い,現時点のハードウェア配置の下で最適な画像取得および解析の条件を追求した. 得られた画素情報を統計的に分析すると,色相の変化は予期したほどではなく,可視化技術には改良の余地がありそうである.ここでは,カラー化により増大した情報量を活かして,3色それぞれの平面相関とそれらの総和から総合的に連続する画像間で流体要素の同定を行い,流速検出の信頼度を高める工夫をした.こうして描かれた速度ベクトル場の精度と信頼性は,連続式の残差を評価することによって確認した. 実験水槽内に斜面を設置し,孤立波を砕波させて内部流速分布を調べた.これから圧力場および渦度の分布を算定し,波頂近傍に圧力勾配の著しく低下する領域を検出した.これは,Lagrange表記に基づく数値解析によっても追認され,砕未現象の本質に関わるものと思われる.波頂背後の水面下方に強い渦度が観察されたことも1つの収穫である. 越波の内部機構に関しては,堤体隅角部近傍で天端より上の高流速域からこれに隣接する堤体前面の低流速域にかけて強い渦度が検出され,剪断流が形成される様子が観察された.越流流域は当然のことながら波頂付近で大きくなり,一般に水表面より少し下層で最大流速が生じる.これらは,数値解析における境界条件の設定等,今後の研究に向けて有用な知見を与えるものである.
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