研究概要 |
1.多層薄膜における界面特異点間相互作用とモデル化 スパッター法等で3次元に制御された多層膜を形成することで、界面フロンティア電子を制御し,界面間での相互作用を検討した.具体的な例とし,粒子配向した人工多層膜を作製し,粒子配向による機能を異方化の研究を行った. 例えばZnO系セラミック抵抗体では,ZnO/Pr_6O_<11>のモデル界面を作製し,配向粒子間の界面につき界面電子の準位を調べ,フロンティア電子の変化をモデル化し,非直線抵抗の発現機能を解明した.また,このような研究を通して界面を応用した新しい人工材料の開発にも有用であることを見い出した. 2.セラミックスの界面における誘電異常性 セラミックスの界面の特異な特性を利用し他の例として界面の空間電荷により誘電異常の発現があることを見い出した.この誘電異常の発現機構は充分解明されているわけではないが,焦電流の測定から,空間電荷によるものとするのが現在の所妥当な解釈である. この誘電体はPb(Fe_<1/2>Nb_<1/2>)O_3系誘電体でありBサイトにPb[(Fe^<3+>)_<1-δ>(Fe^<3+>,e^-)δ]^<1/2>(Nb^<5+>)^<1/2>O_<3-δ/2>によりFe^<2+>が存在することにより,粒界面に空間電荷による分極を生じていると考えられている.従って,このような誘電体界面を人工的に作製し,誘電異常を発現させれは新しいタイプの誘電体や,高音用焦電センサなどへの応用も考えられることがわかった.
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