研究課題/領域番号 |
05452282
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10108566)
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研究分担者 |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
蔡 安邦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90225681)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1993年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | アルミニウム合金 / 急速凝固 / 準結晶 / ナノ粒子 / 高強度 / 高延性 |
研究概要 |
初年度である本年度では、液体急冷したAl基合金において準結晶が主相であり、残部がfccAl相から成る複相組織が生成する合金系と組成の探査を行うとともに、得られた準結晶を主相とする複相合金の組織の特徴ならびに引張強度特性と曲げ延性の合金組成による変化を系統的に調べた。その結果、Al-Mn-Ln、Al-Cr-Ln、Al-V-Ln、Al-Mo-LnおよびAl-W-Ln(Ln=Yを含む希土類金属)系3元合金を急速凝固することにより、約30〜50nmの球状の準結晶粒が約10nm厚さのfcc-Al相で囲まれた複相組織が、溶質総量が3〜8at%の高Al基組成域で生成することを見出した。また、準結晶中には高密度な位相欠陥と微細な近似結晶域が含まれていることも極微小電子回折法により明らかにしている。これらの微細複相合金は180度の密着曲げ変形が可能なねばさを有するとともに1000MPaを大きく上回る高い引張強度を示すことが判明した。最高の引張強度はAl-Mn-Ln系では1320MPa、Al-Cr-Ce系では1360MPa、Al-V-Ce系では1240MPaである。これらの引張強度はAl基のアモルファス単相合金の引張強度よりも高く、また高Al基であることからも、本合金はAl基アモルファス合金に比べて著しく高い比強度を有していると結論できる。この準結晶は約700K以下の焼なましでは結晶相に完全に分解せず、高い熱的安定性を有している。この高い熱的安定性は、バルク成形時の押出し温度を高くでき、成形性に優れていることを意味しているのみならず、得られたバルク材が高い耐熱強度を示す可能性を示しており、来年度の研究の進展が大いに期待される。
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