研究課題/領域番号 |
05452284
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安彦 兼次 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80005959)
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研究分担者 |
劉 春明 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00241571)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 高純度鉄合金 / 不純物元素 / 引張試験 / 高温延性 / 粒界破壊 / 粒界偏析 / キャビテーション / 機械的性質 / 高温変形 |
研究概要 |
本研究では超高真空対応引張試験用チャンバーの開発に成功した。引張試験中のチャンバー内の真空度が10^<-7>torr以上に達し、チャンバ内で室温から1000℃までの温度範囲にわたって急速加熱が可能であり、荷重が約±50gの精度で制御可能である。 ppmオーダーで組成を制御した高純度Fe-SとFe-P合金を作製し、上述した引張試験機を用いて室温から900℃までの広い温度範囲における高純度鉄の高温変形に及ぼすS,Pの影響を明らかにした。また、これらの元素の影響のメカニズムを解明するために微細組織と破断面の観察および界面のオージェ電子分光分析を行った。本研究によって明らかにした結果を要約すると、以下のようになる。 1.高純度鉄はこの温度範囲において90%以上の断面絞りを示し、延性的に破断する。 2.Sは僅か5ppmでも高純度鉄に含まれると650℃付近で鉄を脆化させる。Sの量が増加すると脆化の起こる温度範囲が広がり、脆化が著しくなる。脆化が結晶粒界におけるボイドの形成、連結によって生じている。これはSが粒界に偏析して、ボイドの形成を容易にし、またボイドの表面により強く偏析してボイドの成長を促進するためである。 3.Pは500℃以上で高純度鉄の破断伸びを著しく増加する。このPの効果は高純度鉄の動的回復と動的再結晶に対するPの影響と密接に関連している。 以上のように各々の溶質原子は鉄の高温変形に対して異なる影響を及ぼしている。今後、鉄鋼材料における他の不純物元素および合金元素について同様の研究を行い、各々の元素の効果を解明して、高温脆化に強い鉄鋼材料設計の基礎を作る必要がある。
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