配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
本研究は将来のスクラムジェットエンジン開発上の重要技術課題である超音速気流中酸素と燃料水素の混合促進の問題,すなわち超音速混合の促進制御を扱っている.この超音速燃焼エンジンを実現する上でのネックは,超音速混合層において移流マッハ数が増すと圧縮性の影響により横渦の生成が抑制され,それゆえ混合が鈍化することであり,本研究では,まず鈍化の機構について過去の重要な研究成果をもとに考察し,圧縮性の影響が緩和される渦構造として縦渦を用いる手法を提案している.そして,主流マッハ数2.4,2.5および4.0の流れにおける実験によって,種々のスケール・循環値をもつ縦渦が容易に導入できること,形成段階においてそれらが強い連行作用を有し混合促進に有利であること,しかし形成後の縦渦は比較的安定であって,混合を一層促進するにはそれを小スケール渦に崩壊させる必要があることなどをまず示した.次に,スパン方向に交互逆回転の縦渦列や同方向回転縦渦列を扱い,要素縦渦間,縦渦と乱流剪断層や入射衝撃波の間の干渉による小スケール渦への崩壊過程を調べ,同方向回転縦渦列の場合に崩壊が速やかに進むこと,交互逆回転の場合でもスケールの異なった縦渦間,同じスケールの場合であれば渦列を2列干渉させると崩壊が速やかに進むこと(実験観察),また,とくに縦渦がレイリーの変曲点不安定を満たす渦渡分布をもつときには,強い不安定性により小スケール渦に速やかに崩壊し,混合促進に適した流れが実現されること(数値シミュレーションの結果)などが明らかにされた.このように,本研究では,縦渦が超音速混合に適した渦構造であること,および縦渦を用いた超音速混合において有用な種々の知識が得られた.なお,縦渦による異種流体間の混合を数値計算で確認し,さらに燃焼計算も実施しているが,後者については計算法についてさらに検討を加えている.
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