配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
本研究では,デント損傷(凹損),曲げ損傷および亀裂損傷を生じた海洋構造物の余剰耐力を明らかにすることを目的として,これらの損傷を有する円筒部材および円筒骨組構造の耐荷力に関する実験とFEMによる理論解析を行った。さらに,これらの結果に基づいて,損傷構造物に対する従来の理想化構造要素を改良し,その有効性を示すと共に,改良した理想化構造要素を用いて損傷が海洋構造物の耐荷力に及ぼす影響について考察した。 まず,デント形成挙動およびデント形成後の曲げ崩壊挙動に関する実験およびFEM解析より,円筒部材にデントが生じた場合,デント断面とその周辺の広い範囲に降伏応力に達する残留応力が発生すること,またこの残留応力によって,デントに引張が作用する場合,部材の剛性がおおきく低下することを明らかにした。一方,耐荷力は,デント部が圧縮を受ける場合が最も低い。引張を受ける場合は,デントの回復がおきるため耐荷力は無損傷の場合と同程度に達するが,変形およびひずみは無損傷の場合に比べ増加する。以上の残留応力の影響と引張荷重下でのデントの回復を考慮できるよう従来の理想化構造要素を改良し,これを用いて,デントおよび曲げ損傷を有する平面および立体骨組の耐荷力を調べた。 亀裂損傷については,板厚貫通の周方向亀裂を有する円筒部材に対する純曲げおよび引張耐荷力試験を行うとともに,その挙動を亀裂進展の影響を含めてFEMにより解析した。そして,亀裂損傷による部材の剛性および耐荷力の低下と,亀裂進展解析に有効な破壊パラメータについて調べた。さらに,亀裂損傷部材に対する従来の理想化構造要素を,亀裂先端のむ塑性域の剛性に対する影響を考慮できるよう改良し,実験およびシェル有限要素解析との比較から,本解析法が従来のモデルの解析精度を大きく改善することを明らかにした。
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