研究概要 |
平成5年度は,本調査地区の野崎ダム施工地点および,流域を踏査して,自流域だけでは計画取水量を確保することが困難であることを認めた。そこで,他流域に渓流取水工を施工して,流域変更によって集水することとした。そのために島内を踏査して,渓流取水工を施工するために最良の個所を36地点を決定した。そして,各渓流取水工の施工地点の地形,渓流の形状,現状等を調査・測量を行った。 平成6年度は,これらの結果を基に,各渓流での取水可能量を算出するために,雨量計2ケ所,三角セキ付きの量水槽を4ケ所設置した。 しかし,平成6年度は,降雨量が100年に1度という干ばつの年で,年間に778mmの降水量であった。本地区の年間平均降雨量は1750mmであるので,約44%の降小量であった。そのために各渓流における降雨量と流出量との関係を求めることができなかった。 そのために,平成7年度も継続して研究を行った。 その結果,4ケ所の渓流で,年間の計画取水量86万m^3の確保が可能になると判断された。 つぎに,各渓流取水工の構造として,バースクリーン方式複合型渓流取水工が最適であると判断し,各構造の寸法諸元と設計図を作成した。 ここで,離島での雨の降り方は,島の表裏で異なり降雨量に差異があること。土壌や岩盤の状況によっては伏流水が多量に発生すること,また,土壌の含水状況によっては,流出量に非常に大きい差があることが認められた。
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