研究課題/領域番号 |
05452336
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 順一 東北大学, 薬学部, 教授 (80006337)
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研究分担者 |
池川 繁男 東北大学, 薬学部, 助教授 (90111301)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 光学異性薬物 / ジアステレオマ- / グルクロノシルトランスフェラーゼ / 固定化抗体 / LC / MS / 誘導体化法 / 固体化抗体 / ジアステレオマー |
研究概要 |
光学異性薬物の吸収、分布、代謝、排泄は相互に異なり、有効性と安全性を確保する上でこれらの体内動態を正確に把握することが重要となる。そこで、光学対掌体の分離に優れる液体クロマトグラフィー(LC)と、マススペクトロメトリー(MS)を有機的に結合させた感度、特異性に優れる分析システムの構築を目的とし、以下の検討を行なった。 1)光学対掌体の分離にはジアステレオマ-法が幅広い応用性をもっている。一方、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法ではカルボキシル基を有する化合物が特徴的な負イオンを強く生成する。そこで、グルクロン酸が天然の光学活性体であることに着目し、β-遮断薬プロプラノロールを例に、固定化UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼを用い、生理的条件下でのジアステレオマ-への誘導体化条件を検討した。その結果、固定化酵素300μlと37℃でインキュベートするとき、容易にグルクロニドに誘導されることが判った。ついで、生成するジアステレオマ-のLC分離を検討したところ、カラムに逆相系のCapcell PakC_<18>を、移動相に50mM酢酸アンモニウム(PH4.5)/メタノール(2:3、v/v)を用いるとき、プロプラノロール対掌体は明確に分離された。そればかりか、ESI-MSにおいて分子量に相当する特徴的な負イオンを効率よく生成することも判った。 2)生体内微量成分の測定では、信頼度の高い測定結果を得る上で、目的成分を損失や変質を伴うことなく分離、濃縮する操作が重要となる。そこで、代謝物をも含めた幅広い親和性を示す抗体を調製、固定化し、前処理用機材として利用することを企てた。すなわち、ブフラロールが主に芳香環側鎖に代謝を受けることに着目し、この位置を介する牛血清アルブミン複合体を調製後、作成したウサギ抗(1S)-および(1R)-ブフラロール抗血清の特異性を吟味したところ、いずれの抗体も相対するantipodeに対する交差反応性が極めて低く、対応する対掌体の1′位の代謝物に対しては高い親和性を示し、生成した抗体が期待通り不斉中心をきわめて強く認識することが判った。15EA04:以上の結果、1),2)を組み合わせる時、生体試料中光学異性薬物の高感度分析構築の可能なことが明らかとなった。
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