研究概要 |
1.視覚情報処理における仮説推論の定式化(平成5年度) 視覚情報処理の中核を成す単眼画像からの3次元形状復元を取り上げ,このための仮説推論について検討した.具体的には,物体の部分形状に関する複数の幾何学的拘束条件を仮説とみなし,それらの下で得られた復元結果に基づいて適用仮説を検証・修正するとう処理を緩和的な最適化処理を用いて実現した. 2.仮説の生成/検証に基づく静止物体の3D情報の獲得(平成5年度) 1.の手法を拡張し,物体形状に関する幾何学的拘束条件に加えて,物体構造に関する位相的制約条を新たに仮説として導入することにより,物体の可視部分からの不可視部分の形状予測を実現した.また,物体間の遮蔽関係や,物体と床面との一般的な位置関係などに関する仮説に基づく物体の3次元配置の推論手法を提案した. 3.静止物体の形状獲得のための観測戦略(平成6年度) 2.で提案した手法によって予測された不可視部分の形状を仮説として,さらにこれを検証するたの最適な視点移動のための手法を提案した.この際,移動経路上で得られる観測結果に基づいてカメラの経路を逐次修正するという視覚制御的な処理の導入いついても併せて検討した. 4.仮説推論を用いた移動物体の運動理解(平成5・6年度) 複数の人間による協調的動作の理解を目指し,動作の協調性や連続性に関する一般的な知識に基づく仮説を利用して,動作理解に必要な動作記述を時系列画像から獲得するための手法を提案した.また,処理の効率化のために,時系列画像から重要な動作特徴を含む画像フレームを抽出する手法を提案した.
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