研究課題/領域番号 |
05452374
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 俊一 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (70001659)
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研究分担者 |
丸井 英明 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (10219545)
大木 靖衛 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (30223754)
青木 滋 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (80018621)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1993年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 雪泥流 / 雪泥雪崩 / 雪ダム / 融雪洪水 / 粘性係数 / 衝撃力 / 凝集性 / 非ニュートン流体 / 擬塑性流体 / 粘性率 / 融雪水 / 暖冬少雪 / 豪雪 |
研究概要 |
本研究では、雪泥流災害の国内および国外の事例採集をまず行った。国外では、グリーンランド、ノルウエイ、アラスカなどの氷河地帯や永久凍土地帯の高緯度から中緯度の高山地帯でも広く発生している。わが国では、富士山をはじめ北陸から北海道にかけての積雪地帯で発生し、その中で死者を伴った雪泥流災害もある。 これらの事例によれば、氷河地帯や永久凍土地帯で発生する雪泥雪崩や雪泥流の発生機構については、氷や凍土のような不透水層の上の積雪が融雪水や雨などの多量の水を含み、雪泥化したものが緩斜面をも流れ下る現象として知ることができる。富士山の雪代雪崩はこれと同じメカニズムで発生する。その他、わが国での渓流の中で発生する雪泥流についてはその原因はよく知られていないが、渓流内の堆積物(デブリ)や吹雪による吹き溜りが川を塞ぎ、いわゆる「雪ダム」となってそれが決壊して雪泥流となると推定している。暖冬少雪では、厳冬期でも例年ならば雪となって降るところ雨になって降ることが多く雪泥化する機会が増すと思われる。更に、少雪のため雪ダムの強度も弱いことも雪泥化に拍車をかけている。 雪泥流の実際を自然界で実見することはきわめて稀であることから、本研究では雪泥の物性を明らかにするために、低温環境実験室で雪泥の見かけの粘性係数や強度の測定を行った。更に、斜面による模型実験による衝撃力の測定や流動特性を水流と比較しながら検討した。その結果、雪泥の凝集構造が雪泥の重要な特性であることが明らかにされた。即ち、雪泥の凝集構造よりも大きな構造物に対しては、水流とほぼ同じ衝撃力を考慮すればよいが、橋桁のような小さな構造物に対しては水流の数倍の衝撃力に耐える設計にしなければならない。
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