研究分担者 |
石川 忠晴 東京工業大学, 総合理工学研究科, 教授 (50159696)
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
須藤 隆一 東北大学, 工学部, 教授 (70109916)
田中 仁 東北大学, 工学部, 教授 (30171755)
後藤 光亀 東北大学, 工学部, 助教授 (80134013)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
1.真野・後藤は,宮城県中原貯水池における連続自動観測と定期採水を行い,最初に熱収支解析を行った.水面での境界条件を確定すると共に,水温分布の変化から拡散係数とリチャードソン数の関係を求め,風による混合と水温成層による混合抑制を考慮できるようにした.次に,酸素の生産と消費を詳しく調べ,藻類増殖の温度,光,栄養塩の依存性を明らかにした.この特性を鉛直1次元の数値シミュレーションモデルに組み込み,気象条件が与えられれば酸素とクロロフィルの時間発展を計算できるシステムを開発した. 2.田中は宮城県志津川湾において流速・水温・DOの観測を行った.これと気象・潮位データを解析し,潮位差と西風がある条件を満たすとき,急激な海水交換が生じることを明らかにした.また流入河川からの汚濁負荷特性を観測より明らかにし,水温と水質の変動を予測するモデルを開発した. 3.須藤は湖沼における藻類の増殖特性と種間の優占化機構を解明した.代表的な藍藻類を連続培養実験し,培養時間,温度,N/P比の影響を調べた.この結果,富栄養化した湖沼においては,N/Pの増加に伴い,藍藻類の優占化が高まること,水温の増加と共に藍藻類の優占化が高まることなどを明らかにした. 野地はリン制限のダム湖に流入するリンを除去するための前貯水池(プレダム)の効果を調べた.パイロットプラントをつかって調べた結果,浮遊物質と懸濁性リンが除去されることが確認された.また嫌気性の条件では懸濁性のリンからPO4の溶出が大きく,潜在的なリンの供給源として無視出来ないことを明らかにした. 5.石川は宮城県七が宿貯水池をフィールドとして,洪水時に流入する濁質に関する観測を行った.また貯水池直上流の河川で連続採水を行い,流量と濁度,SS,リンの時間変化を調べ,諸量の相互関係を明らかにした.また貯水池内での濁水の運動と濁質の沈降を観測し,その特性を明らかにした.このほかに,流域の降雨特性,流出特性について研究し,流域から貯水池に至る濁質の挙動を考察した.
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