| 研究課題/領域番号 |
05453004
|
|---|
| 研究種目 |
一般研究(B)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
|---|
| 研究機関 | 筑波大学 |
|---|
研究代表者 |
木股 三善 筑波大学, 地球科学系, 講師 (20143167)
|
|---|
| 研究分担者 |
荒川 洋二 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (00192469)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
| 研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
| 配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1993年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
|---|
| キーワード | 灰長石 / 巨晶 / カンラン石 / ザクロ石 / 包有物 / 自然銅 / 島弧 / マグマ / 島孤 / 炭化水素 / Sr-同位体比 |
|---|
| 研究概要 |
伊豆七島から東北日本を経て北海道-千島列島に連なる火山フロントに産する灰長石巨晶は、このような広域の産出としては世界的に類例を見ないもので、日本島弧の19ヶ所から採集された試料を検討した結果、次のような考察を得た。1)大きさは約1cmから最大5cm、2)色は無色透明、部分的に赤色、薄黄色、3)自形を呈し、単結晶か貫入および接触双晶などで産出、4)裂開を伴う、5)径が2.3mm以下の融食形をしたカンラン石を包有、6)新第三紀から第四紀の輝石安山岩や玄武岩に産出する、7)西南日本からは発見されない。これらの巨晶はCaFeSi_3O_8,CaMgSi_3O_8,[JSi_4O_8, Al(Al_3,Si)O_8の微量端成分を含む、An_<94>からAn_<89>の灰長石である。そのうち赤色灰長石は、伊豆七島から糸魚川-静岡構造線の東緑部に沿って産出し、自然銅、自然亜鉛、自然真鍮やメチレン系やメチル系の炭化水素が巨晶内部で検出され、その包有カンラン石からも同種の炭化水素が検出された。さらに海溝から背弧にかけての巨晶にはSr量が200ppm以上含まれ、包有カンラン石のFeO/MgO値も巨晶の^<87>Sr/^<86>Srの同位体比も、海溝から背弧にかけていずれも増加する傾向にある。一方、中央構造線に北接する瀬戸内火山帯は、南方の南海トラフを観望する新第三紀の酸性火山岩及びそのザクロ石斑晶によって特徴づけられ、二上山及び雨滝山産の流紋岩、安山岩中のザクロ石からも同様の炭化水素が検出された。さらにEPMAによってその包有物までも炭素が追認され、島弧の造石鉱物中における炭化水素の普遍性が証明された。これは灰長石巨晶やザクロ石が晶出する以前の島弧のマグマには炭素即ち炭化水素を含んでいたことが示唆され、テクトニクスから洞察される島弧の地殻深部では、ガス・ハイドレイトを含むスラブ堆積物に端を発するマグマ混合内での鉱物の生成において、炭化水素が重要な役割を果すことが解明された。
|
