研究課題/領域番号 |
05453016
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40182597)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | ファンデルワールスクラスター / クラスター / リュードベリ状態 / 光光二重共鳴分光 / 光-光二重共鳴法 / レーザー蒸発法 |
研究概要 |
平成5年度〜平成6年度の研究において以下の成果を得た。 (1)Hg希ガス系ファンデルワールスクラスター、HgNeについて、光光二重共鳴レーザー分光によってそのリュードベリ状態への遷移の励起スペクトルを観測した。とくに、分解能の高い測定を行うと、中間状態の同位体分裂を利用することができ、おもにHgの同位体のうち^<202>Hg、^<200>Hgを分離して観測できることを示した。また、得られたスペクトルの解析に基づいて、リュードベリ状態のポテンシャルを系統的に決定した。 (2)決定されたHgNeのポテンシャルのうち、s-リュードベリ状態のポテンシャルは、n=7において、障壁をもつ特異的な形状を示すことが明らかとなった。この形状を説明するために、量子欠損波動関数を用いた解析を行った。その結果、ポテンシャルのモデルが提案され、ポテンシャルの主量子数依存性が、希ガス原子とリュードベリ電子との間の交換斥力によって支配されることがつきとめられた。また、一重項状態と三重項状態において、ポテンシャルがわずかに異なり、三重項のポテンシャルの方が、つねに深い束縛ポテンシャルをもつことが示された。このことは、超交換相互作用によってはじめて説明された。また、スペクトルの広がりから、前期解離反応の速度についての知見を得た。 (3)HgNeについて、最低リュードベリ状態から、イオン化限界を超える広いエネルギー領域にわたって、光光二重共鳴スペクトルを観測し、イオンの振動準位に収束するリュードベリ系列を帰属した。その結果、HgNe+イオンのポテンシャルを精度よく決定することができた。また、このリュードベリ状態を利用したイオンの振動準位の決定法は、最近しばしば利用されているZEKEスペクトルによるものよりも1桁以上も精度が高いことが示された。
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