研究課題/領域番号 |
05453026
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東京大学 (1994-1995) (財)基礎化学研究所 (1993) |
研究代表者 |
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40175659)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 量子波束法 / 準安定高振動励起状態 / カオス的振動スペクトル / 遷移状態分光 / 波束ダイナミックス / 自己相関関数 / 共鳴散乱状態 / 光脱離過程 / 量子波束 / パルスレーザー / 量子制御 / レーザー誘起モード選択反応 / 高振動励起状態 / 時間発展作用子 / ポテンシャル面 / 光解離反応 / 準安定共鳴状態 / 非断熱遷移 |
研究概要 |
本研究では準安定高振動励起状態の量子動力学過程を研究するめの強力な理論的手法を新たに開発確立し、広範な反応例においてその有用性を示し、準安定高振動励起状態の化学反応過程における多岐にわたる役割を明らかにすることを目的とした。1.量子波束法の開発:3原子分子の反応系に適した結合距離座標と質量加重ヤコビ座標を用い、時間に依存したシュレジンガー方程式を数値的に解く方法を開発した。対象とする量子動力学過程に関連して3種類の時間発展作用子を導入し、それぞれについてプログラム化した。(a)通常の量子波束法に用いられる実時間tについての時間発展作用子exp(-itH/h)、(b)虚時間tについての時間発展作用子exp(-tH/h)を用いた緩和法、(c)高い固有状態を対象とする時間発展作用子exp(-t(H-a)^2/h)。2.緩和法によるH_3^+系の高振動励起状態:(c)の方法によると波束は十分長時間の後、任意のエネルギー値aをもつ系の振動励起状態に直接的に収束させるこができる。perimetric座標系の分子ハミルトニアンを用い、具体的に振動カオスとの関連で興味がもたれているH_3^+系へ応用した。3.Li_3分子のカオス的振動スペクトルの波束ダイナミックス:(a)の方法を用いてSEP実験をモデルとした分子振動の3次元波束ダイナミックスを検討した。自己相関関数に再帰構造が観測され、3つのC_<2v>安定構造間の運動に起因する準周期的な軌道(連続状態に埋った準安定共鳴状態に対応する)と共に振動のカオス的運動が示唆された。4.反応H+H_2の準安定高振動励起状態と遷移状態分光:(a)の方法を用いて中性反応の遷移状態領域に存在する共鳴散乱状態の量子波束を求め、その時間発展から共鳴散乱状態のエネルギー値と寿命を決定した。またH_3^-について(b)の方法により分子振動の基底、および励起状態の波動関数を得、H_3^-の各振動状態からの光脱離過程により反応H+H_2の共鳴散乱状態を直接観測する遷移状態分光を理論設計した。
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