研究課題/領域番号 |
05453039
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大塩 寛紀 東北大学, 理学部, 助教授 (60176865)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1993年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 分子磁性 / 有機ラジカル / 金属錯体 / 強磁性的相互作用 / 磁性 |
研究概要 |
金属錯体を構成単位とする分子集合体に期待される物性は磁性・伝導性.光物性と多岐にわたる。このような固体に特徴的な物性を実現するには分子間の電子的相互作用(強相関電子系)を含む電子-格子相互作の制御が必要である。本申請研究により、集合系におけるマクロな相互作用制御のための基礎研究として、金属多核錯体および有機ラジカルを配位子としてもつ有機ラジカル金属錯体における分子内電子的相互作用の制御、特に磁気的相互作用の制御を目的とした研究により次のこと明らかにした。 (1)これまでの磁性体開発においては、金属イオンはスピンの供給源として考えられ使われてきた。ここでは発想を変え、金属イオン特有の配位環境を有機ラジカル配列の場として利用することにより、有機ラジカル間の磁気的相互作用の制御が可能であることを明らかにした。すなわち、反磁性金属イオン銅(I)を中心金属にもつイミノニトロキシド(I)錯体において、有機ラジカル間の分子間磁気的相互作用としては最も大きい強磁性的相互作用(2J=102cm^<-1>)を達成した。 (2)金属イオンと有機ラジカル配位子間の電荷移動相互作用にともなう配置間相互作用により、基底状態における磁気的相互作用を誘起・制御することができることを明らかにした。 この研究で、分子内あるいは多核金属錯体内における電子的・磁気的相互作用制御に関してかなりの錯体合成化学的な知見と経験を得ることができた。今後はこれをもとに固体物性を目指した錯体分子集合体設計・合成へ発展させる予定である。
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