研究課題/領域番号 |
05453046
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
北川 進 東京都立大学, 理学部, 教授 (20140303)
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研究分担者 |
近藤 満 東京都立大学, 理学部, 助手 (80254142)
川田 知 東京都立大学, 理学部, 助手 (10211864)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | マイクロフェーブ / 銅錯体 / 配位高分子 / 単結晶 / 固体電子構造 / マイクロウエーブ / 個体電子構造 / マイクロ波 / 電子レンジ / 二次元構造 |
研究概要 |
各種金属錯体をユニットとして連結したポリマー(配位高分子)は種々の興味のある固体物性を示す新しい系と考えられる。しかしながら、物性理論と緊密に関連した設計法や、単核錯体を合理的に連結し単結晶を得る合成法が未開拓であるため、優れた方法論が望まれている。本研究では難溶性銅(II)をユニットとした配位ポリマーの合成をマイクロ波を用いて行う新しい合成法を展開し、以下に示す新規銅配位高分子の合成に成功した。硝酸銅(II)三水和物、シュウ酸(oxalate(ox))およびピラジンをpH10に調製した水溶液を500wの電子レンジで20分加熱した。その溶液から[Cu(ox)(pz)]_nの単結晶を得た。これは1960年以来、多くの研究者が単結晶化を試みながら全て失敗に終わった系である。本研究により初めて単結晶化に成功したことは、本法が極めて優れた方法であることを実証したと言える。 さらに多様な構造の配位高分子錯体単結晶を得ることを目的に合成研究を進めた。これにより下記にまとめた様な銅配位高分子の単結晶化に成功し、結晶構造を得た。(1)さらに[Cu(chloranilate)(pz)]_nや{[Cu(chloranilate)(H_2O)_2](H_2O)}_nなどのchloranilate架橋系。(2){[Cu(pzdc)]・4H_2O}_n及び{[Cu_2(pzds)_2(pz)]・2H_2O}_nなどの2,3-pyrazinedicarboxylic acid(H_2pzdc)を架橋配位子として銅の一次元、及び三次元ポリマー、(3)[CuX_2(pz)]_n(X=Cl,Br,pz=pyrazine)などの[CuCl_2(pz)]_n,[CuBr_2(pz)]_nともに銅-銅間を2つのハロゲンが架橋した一次元鎖を更にピラジンが架橋した二次元シート構造系。これら物質の結晶構造を全て決定し、空間および電子構造解析から、局在スピンと伝導電子が関与する遍歴電子磁性系の銅-配位子の組み合わせについての重要な指針を得、錯体物性化学の分野で重要な貢献ができた。
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