研究課題/領域番号 |
05453056
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲葉 章 大阪大学, 理学部, 講師 (30135652)
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研究分担者 |
松尾 隆祐 大阪大学, 理学部, 教授 (00028185)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 吸着単分子膜 / X線回折 / 中性子回折 / 二次元固体 / 相転移 / 中性子散乱 / 単分子吸着膜 |
研究概要 |
本研究で対象とした分子は、メタン、ネオペンタン、アダマンタン、フッ化スルフリル、六フッ化硫黄、樟脳、テトラキスチオメチルメタン等で、いずれも球形に近い分子であった。グラファイト表面に吸着して単分子膜を形成した系について熱容量測定を行った結果、いずれの二次元固体にも相転移を見いだした。その転移エントロピーは、分子の配向の乱れによる相転移であることを強く示唆している。なお、アダマンタンと分子構造および固体での構造が似ているヘキサメチレンテトラミンはグラファイト表面を濡らさず、単分子膜は形成しないことが分かった。つぎに、アダマンタンおよび樟脳、テトラキスチオメチルメタンの単分子膜について300Kおよび80KにおいてX線回折パターンをとった。X線回折装置は、当初は反射型ジオメトリーで行っていたが透過型に変更し、回折側にグラファイトモノクロメーターを設置した。重水素化したネオペンタンおよびアダマンタン、六フッ化硫黄については単分子膜の中性子回折パターンをとった相転移によってパターンか大きく変化するのはネオペンタン単分子膜であった。現在詳しい構造解析を行っているところであるが、相転移の機構は、いずれの系も分子の配向が乱れることによる秩序一無秩序型と思われる。同位体メタンおよびネオペンタンの単分子膜については中性子散乱実験を行い、そのダイナミックスを調べた。前者は、分子の回転基底状態に見られるトンネル分裂を観測することにより、後者は、分子分光学的な見地から非弾性散乱および準弾性散乱を観測することにより、構造に関する知見を得た。なお、吸着単分子膜の誘電的性質を調べるために、固体表面をグラファイトから構造の似た六方晶窒化ホウ素表面に変えた系についても研究が進行中である。
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