研究課題/領域番号 |
05453060
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
小林 速男 東邦大学, 理学部, 教授 (60057635)
|
研究分担者 |
内藤 俊雄 東邦大学, 理学部, 助手 (20227713)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
|
キーワード | 構造相転移 / 低温結晶構造 / 分子性金属 / 分子性超伝導体 / 有機超伝導体 / 結晶構造 / X線散漫散乱 / pi-d相互作用 |
研究概要 |
1944年度の研究実績は次のようなものである:(1)昨年度整備した窒素吹き付け法X線低温構造解析装置に続き、更に低温に実験温度領域を10K程度にまで広げるために、本学に昨年度導入されたイメージングプレートと循環式ヘリウム低温装置を用いた低温X線構造解析システムを立ち上げた。従来、このような低温領域で三次元結晶構造解析を行う事は殆どなされていなかったが、分子性結晶の低温物性の研究に対して、今後基本的重要性を持つ構造データーを提供出来るようになった事は大きな前進であろう。(2)前記の低温X線構造解析システムを用いた具体的な実験は既に、(a)有機分子性金属・超伝導について9つの系、(b)遷移金属錯体伝導体について5つの系、および(c)C60単結晶の格子定数の温度変化、などを吟味した。即ち、調べた系は、[I]有機分子性金属・超伝導体:(1)新有機超伝導体λ-BETS_2GaCl_4およびλ-BETS_2GaBrCl_3(2)有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)_2I_3(3)有機分子性金属、α-(BEDT-TTF)_2I_3およびα-BETS_2I_3の低温構造(4)有機分子性金属、κ-MT_2I_3(MT=BMDT-TTF)の低温構造(5)分子性金属、DCNQI-Cu系化合物の低温構造(6)新有機分子性金属、κ-,λ-BETS_2MCl_4(M=Ga,Fe)[II]M(dmit)_2(M=Ni,Pd)に基づく分子性金属・超伝導体:(1)α-[(C_2H_5)_2(CH_3)_2N][Ni(dmit)_2]_2 (2)β-[(CH_3)_4N][Pd(dmit)_2]_2 (3)[(C_2H_5)_2(CH_3)_2N][Pd(dmit)_2]_2 (4)α-(EDT-TTF)[Ni(dmit)_2] (5)γ-(EDT-TTF)[Pd(dmit)_2]また、この系との対応を調べる目的で、ほぼ同一温度で金属状態が同様に不安低化する(EDT-TTF)_2TaF_6系についても吟味した。[III]C_<60>結晶、である。これらの内幾つかの系については、低温構造に基づいてバンド構造を計算し、実験的に予想されていたフェルミ面の形状との一致を見た。特に遷移金属錯体伝導体では初めての事である。また、幾つかの系で金属-絶縁体転移に伴うX線散漫散乱を観測し、物性変化との対応を吟味した。
|