研究課題/領域番号 |
05453111
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 渥夫 京都大学, 工学部, 教授 (80026088)
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研究分担者 |
川本 卓男 京都大学, 工学部, 助手 (10231276)
植田 充美 京都大学, 工学部, 助教授 (90183201)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 生体触媒 / 非天然アミノ酸 / 有機ケイ素化合物 / 酸無水物 / ペプチド合成 / エステル化 / 脱水素反応 / 有機溶媒 / 非天然型アミノ酸 / ハロフェニルアラニン / 生化学反応 |
研究概要 |
生体触媒を異常環境下に置くことによって、潜在的な能力を引き出し、新しい利用法を開拓することは重要である。そこで、本研究では、まず、生体触媒にとって異常な基質である非天然型基質の導入によって、生体触媒のさらなる可能性の開拓を目指した。その結果、ハロフェニルアラニンような非天然アミノ酸も、サーモリシンの基質となることを見いだし、ハロフェニルアラニンを含み新規な生理活性等が期待される非天然ペプチドの、酵素によるエナンチオ選択的な合成を可能にした。また、全くの人工的化合物で有機合成の分野で重要な役割を果たしている有機ケイ素化合物の生体触媒による変換も試み、含ケイ素医薬(シラ医薬)の前駆体などへ応用が考えられる、ケイ素原子をキラル中心とする一級アルコールの、市販パパインを利用したエナンチオ選択的エステル化による光学分割も可能にした。さらに、一級β-ヒドロキシシランのアルコール脱水素酵素による光学分割においては、生成するβ-ケトシランの非酵素的な分解により補酵素再生のための基質となるアルデヒドが生成するため、目的の一級β-ヒドロキシシランとアルコール脱水素酵素および触媒量のNAD^+だけで、光学分割が効率よく行えることを明らかにした。このことにより、有機ケイ素化合物の持つ特徴を利用することにより、従来不可能であった効率のよい反応系の構築が可能となることを示した。また、加水分解酵素を用いたエステル化の際に問題となる、反応に伴う水の蓄積を、酵素にとっては異常な非天然化合物である酸無水物をアシルドナーとして用いることによって解決でき、その際、酸無水物を反応器に流加する方法が効率がよいことも明らかにした。さらに、この場合、酵素にとって異常環境である有機溶媒中では、酵素は不溶であることを利用すれば、従来の固定化が不要な無担体バイオリアクターの長期安定な稼働が可能であることも明らかにした。
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