研究課題/領域番号 |
05453170
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
広瀬 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60026523)
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研究分担者 |
山下 穂波 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90252519)
高橋 延行 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (20252520)
三上 文三 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (40135611)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1993年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 食品蛋白質 / モンテングロビュール / 食品機能特性 / オボアルブミン / オボトランスフェリン / 血清アルブミン / モルテングロビュール / タンパク構造変換 / タンパク質フラグメント |
研究概要 |
食品タンパク質の物性上の機能特性の発現には、タンパク質分子の高次構造変換が重要な役割を果たす。従って、この分子構造変換の機構と機能特性の関係を明確にすれば、タンパク質の食品機能発現に有効な条件の予測と設定が可能となる。そこで本研究では、代表的な動物性食品タンパク質である、卵白タンパク質(オボアルブミンとオボトランスフェリン)および血清アルブミンについて、天然型と変性型および両者の中間的な構造をもつモルテングロビュール型(A型)の高次構造と食品機能特性について詳細な解析を行った。即ち、鉄結合機能をもつオボトランスフェリンについてはホロ型とアポ型の両者を結晶化し、X線結晶構造解析による全立体構造を明らかにした。その結果、アポ型がホロ型に比べドメイン間のクレフトが大きく開いた緩んだ構造をとることが分かった。また、本タンパク質にチオールを緩やかに作用させ、S-S結合の切断数の異なる分子種を生成させた結果、S-S結合の切断により段階的な変性が起り、モルテングロビュール様の構造体が生成することが分った。また、オボアルブミンについては、変性状態でのポリマー鎖としての性質を明確にするとともに、卵白の食品機能特性の劣化要因となるS-オボアルブミンの形成に分子内S-S結合の存在が必須であることを明らかにした。一方、血清アルブミンの構造と食品機能特性に関する成果としては、本タンパク質のドメイン-Iを欠質するフラグメントを調製し、食品機能特性を解析した結果、乳化特性とS-S結合の切断によるゲル化性にドメイン構造が重要な役割を果たすことを明らかにした。これらの解析を通じて有用な食品機能特性発現の分子論的基盤の確立に必要なデータを多数得ることが出来た。
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