研究課題/領域番号 |
05453205
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
楠見 武徳 徳島大学, 薬学部, 教授 (70015882)
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研究分担者 |
大野 信夫 住友化学, 宝塚総合研究所, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1993年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 海洋天然物化学 / 真珠貝 / アレロバシー物質 / 殺虫剤 / 海藻 / ポリドラ / 軟体動物 / 駆虫剤 / アレロパシー物質 / 海洋天然物 / 海藻化学成分 / 海洋養殖産業 / ホタテ貝 |
研究概要 |
研究代表者は、研究課題である「養殖産業に害を与える海洋微生物に対する天然物化学的防除手段の開発」の一環とし、「養殖真珠貝に害を与えるゴカイ類、ポリドラの防除法」を開発した。 まず、徳島沿岸に生育する数十種の海洋生物を採集し、メタノールで抽出し、ポリドラの幼生を用いたバイオアッセイシステムで検索した結果、褐藻の一種、アミジグサがポリドラに対し強い殺虫作用を有することを見い出した。アミジグサの粗抽出物をヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルで抽出した。一番強く殺ポリドラ活性が認められたヘキサン抽出物をさらに分離し、活性成分として、1(crenulacetal C)を得た。1は1ppmの濃度でポリドラの幼生を30分で100%殺した。一方、2(crenullactone)および3(dolabelladiene)はポリドラに対する活性が1/10に低下した。 1(crenulacetal C)はアミジグサ中に非常に少量しか含まれておらず、これを実際に養殖場でポリドラ駆除剤として使用することは現実性がない。そこで化学合成により1と同等、またはそれ以上の殺ポリドラ活性を持つ化合物を得ることを考えた。 化学的な考察により、1に含まれるジメトキシジヒドロフラン環が上記の生理活性に関与している可能性を考慮し、この官能基を有する数種の化合物を合成した。これらについて殺ポリドラ活性を検定した。その結果9個の炭素側鎖を持つ化合物が1と同等の1ppmで活性を示した。 この化合物は実験室的に大量に合成することが可能である。この化合物を使用して、成体のポリドラに対する駆除作用、また母貝であるアコヤ貝に対する毒性の検討を行うことが可能になった。
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