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赤潮生物生態因子の化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05454074
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生物生産化学・応用有機化学
研究機関東北大学

研究代表者

安元 健  東北大学, 農学部, 教授 (20011885)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1993年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
キーワード赤潮生物 / Prymnesium parvum / 魚毒性因子 / 溶血性因子 / プリムネシン / ポリエーテル化合物
研究概要

ハプト藻のPrymnesium parvumは魚類の大量へい死をもたらす代表的な赤潮形成種であり、その被害は北欧、北米、イスラエルで特に著しい。本研究は、これまで化学的実体の明かでなかった魚毒成分の本体を単離し、生物活性及び化学的性状を解明する目的で行われた。まず培養条件について検討し、適正な通気条件の設定によって静置培養に比較して20倍の増収を得た。次いで毒の本体としてプリムネシン-1(PMS1)及びプリムネシン-2(PMS2)の単離に初めて成功し、それぞれの分子量を2263及び1969と推定した。NMR測定溶媒に対する試料の溶解度が極めて悪いので、1部の培養では培地にNa_2^<13>CO_3を添加し^<13>Cの取り込みを行わせた。約200Lの培養で^<13>C濃度を強化したPMS1の1.5mgとPMS2のN-アセチル化物の1.5mgを得た。質量分析及びX線分析の結果は分子内に塩素の存在を示唆した。また、ニンヒドリン反応、アセチル化反応、及び、各種NMR測定の結果は、PMS2が1個のアミノ基と塩素原子を含み、14個の6員エーテル環と1個の5炭糖とポリエン部分を持つ特異な分子構造を有することを示唆した。PMS2の基本骨格はPMS2に類似している。PMS1の魚毒性はCaイオンの存在により増強され、0.5ppmでメダカが死亡せしめた。ラットグリオーマ06細胞に対しては、約100nMの低濃度でCaイオン流入活性を示した。マウス腹腔内投与による最小致死量は0.07mg/kgであった。マウス赤血球に対しては植物サポニンの1,300倍という極めて高い溶血活性を示した。PMS1の活性はPMS2とほぼ同等か、やや低い値を示した。従来P.parvumについて報告されていた生物活性は全てPMS1及びPMS2に由来することが明らかになった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mari Yotsu-Yamashita and Takeshi Yasumoto: "Polycavernoside A:A Novel Glycosidic Macrolide from the Red Alga Polycavernosa tsudai(Gracilaria edulis)" The Journal of the American Chemical Society. 115. 1147-1148 (1993)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] Tomoji Igarashi,Yasukatsu Oshiama,Michio Murata and Takeshi Yasumoto: "Chemical studies on prymnesins isolated from Prymnesium parvum" 6th International conference on Toxic Marine Phytoplankton Nantes,October 18-22,1993,Submission of manuscripts. (発表予定).

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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