研究課題/領域番号 |
05454102
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
|
研究機関 | 九州芸術工科大学 (1994) 大阪府立大学 (1993) |
研究代表者 |
重松 敏則 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (70094505)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1993年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 環境教育 / 市民参加 / 里山管理 / 伝統的農村景観 / 生態系保全 / 環境保全 / 生涯教育 / パートナーシップ / 伝統的田園景観 / 人材養成 / 保全システムの開発 / 田園景観 / 自然保護運動 / システム開発 |
研究概要 |
和歌山県橋本市柱本地区と大阪府八尾市神立地区を研究対象地に、自治体職員、学校教員、会社員、学生、自然保護団体会員等からなる、研究協力者グループを結成し、これを核に里山管理や棚田の石積手法等の伝統技術を有する地域の人材を指導者に、それぞれにおいて2泊3日、ならびに英国BTCVとの連携による9泊10日の国際保全合宿、日帰りの保全活動等を市民参加で開催した。その結果ならびに、講演会やシンポジウムの開催による効果、BTCV発行の資料の分析等から、以下のことが明らかになった。 市民参加の起動には、講演会やシンポジウムの開催による情報の提供によって、市民の潜在的な意欲や情熱を触発し、ついで現場での保全作業を体験させることにより、その意義や充実感を確認し、継続的な活動に進むことが明らかとなった。特に寝食を共にする合宿方式では、いっそう共通認識や連帯感が培われ、たとえ外国人がまじり、相互に会話が不十分であっても、ほぼ同様な効果の得られることが分かった。このような市民参加による里山・田園の保全活動は、市民の環境認識や農林業に対する理解、知的意欲等を深めるとともに、農林業に携わる地域住民にも自信や気力を回復し、また都市住民に対する不信感も取り除かれる効果のあることが認められた。一方、青少年や老齢者も里山・田園環境の保全作業に意欲や楽しさを感じ、作業内容や1グループ当たり人数を適正にすれば、問題なく進められること、また、参加者には行政職員や学校職員が比較的多く、その関心も高いことから、今後、行政・文教施策としての生涯教育や環境教育との関連も可能と考察された。しかしそれには里山・田園環境の保全活動の内容を充実させ、かつ、継続的に進めていく必要があり、今後、市民・行政・企業のパートナーシップによる運営組織の形成が不可欠と結論づけられた。
|